WONK、MELRAW、SIRUP、CRCK/LCKS、ものんくるが出演したライヴ企画〈DOVETAIL(ダブテイル)〉が、去る1月12日(土)に東京・代官山UNITで開催された。チケットが昨年12月の時点でソールドアウトするなど注目度の高さが窺えた本イヴェント。5バンドが出るということで当日は長丁場となったが、徹頭徹尾大盛況のうちに終了した。
イヴェント終了後には〈DOVETAIL〉が観客に向けてイヴェントの感想やレポートを公募する企画〈DOVETAIL Official Audience Report by Mikiki〉をSNS上で告知。ここでは応募されたものから選ばれし6名のレポートを掲載する。なお、今年11月2日(土)、3日(日)には第2回の〈DOVETAIL S/N 002〉が東京・恵比寿LIQUIDROOMにて開催されることもアナウンスされている。詳細は記事末尾へ!
MELRAWという青
(ペンネーム:りん)
MELRAWは〈青い〉と思った。
それは、もちろん〈青臭い〉からくる〈若さ〉の青ではない。
むしろそれらの〈青〉とはかけ離れている。
ブルーの照明で穏やかに始まったかと思ったが、すぐにそれは〈思った〉だけだと気づく。ベースとドラムのタイトなリズム、ギターとキーボードの作り出す不穏な雰囲気。
その雰囲気はとても冷たく感じた。
ところが安藤康平がSaxを吹いたその瞬間、とんでもない熱さが押し寄せて来る。
このイベントに来るまで私は〈MELRAW〉というアーティストを知らなかった。
MELRAWとは安藤康平のソロ・プロジェクトだという。
きっと安藤康平をはじめ、サポートのメンバーもみな若いのだろうが、並みではない経験をしてきていることは音を聴けば〈青い〉私にもわかった。
〈青い〉炎が一番熱いのだ。
MELRAW SETLIST
M1. UNTITLED
M2. OBSCURE
M3.Think Of One
M4. Warriors
M5. The Way Out feat.Sara Yoshida(ものんくる)
M6. The Lights
CRCK/LCKSライブレポ
(ペンネーム:りょう)
ライブに行くたびに思う。
CRCK/LCKSはどの様な景色を見ているのか。
あの場に居た人は思っただろう。〈なんだこれは〉と。圧倒的な演奏能力は音楽のいろはもわからない私でもわかる。人はとんでもないものを見ると笑ってしまうのかと。
正直なところ私はCRCK/LCKSジャンキーで楽しかったという記憶しかない。何曲目のあの曲のここがよかったとかは覚えていない。脳裏に焼き付いている場面しか伝える事が出来ないが御容赦頂きたい。
CRCK/LCKSの演奏はまず“Skit”から始まった。何拍子か分からない、これから何か凄い事が始まるという雰囲気が会場を包み込んだ。彼らは“パパパ!”で観客を巻き込んだ。小西(遼)が言っていた、〈自由に楽しんでくれ〉と。そして観客は肩を揺らし、手拍子をし、一体となって〈東京スカイツリー〉と声をあげた。“Goodbye Girl”ではMELRAWから安藤康平がサックスで参加して小西とツイン・サックスで掛け合いを聴かせてくれた。サックス・ソロは圧巻であった。気づいたら目が離せなくなり、口は開き、演奏の凄さに笑ってしまっていた。“傀儡”では小田(朋美)の表現力に圧倒された。いつ聴いても鳥肌が立ち、涙が出そうになってしまう。
私の記憶が混同しているためこれ以上は書けない。私が覚えているのはCRCK/LCKSはヤバイ、楽しい、最高という事である。
CRCK/LCKSに出会えてよかった。
CRCK/LCKSをよんでくれたDOVETAILに感謝を。
CRCK/LCKS SETLIST
M1. Get Lighter
M2. 窓
M3. パパパ
M4. Goodbye Girl feat.安藤康平(MELRAW)
M5. たとえ・ばさ
M6. 傀儡
M7. No Goodbye
M8. Skit
LOVE≦ものんくる
(ペンネーム:しゅうと)
ものんくるのライブを観るといつも〈愛〉で溢れているなぁと思う。
正岡子規がベースボールを野球と訳したように、
時代が時代だったら〈LOVE〉は〈ものんくる〉と訳されていたのではないかとさえ思う。
〈出会い〉と〈別れ〉があったとして、
〈出会い〉は〈愛〉で〈別れ〉は〈哀〉というのが一般的だが、
ものんくるの手にかかれば、
〈出会い〉は〈愛〉で〈別れ〉もきっと〈愛〉なのである。
そういうすべてを包み込む、海のような大きさを感じる。
誰も海を見て大きいとは思わない。
それは、海は全部が見えないから。
しかしわれわれは海が大きいことを知っている。それは知っているからだ。
ものんくるにもそういった大きさを感じるのだ。
パッと見ではわからないのかもしれない。
しかし、絶対的に大きいのだ。
私は知っている。
きっと多くの人が近い将来、知ることになる。
どうかライブを観て、この文章の意味を理解してもらえますように。
LOVE=愛≦ものんくる
ものんくる SETLIST
M1. RELOADING CITY
M2. ここにしかないって言って
M3. 花火
M4. 空想飛行
M5. 異星人
M6. 最終列車 君を乗せて feat.SIRUP
M7. 優しさを重ねること
M8. 夕立
私がオバさんだったとしても
(ペンネーム:YSK)
正直に言って私はSIRUPを誤解していた。
〈流行りのオシャレ系〉
若い子がキャーキャー言っていそうな感じ。
私はオバさん。
キャーキャー言いました。
そりゃ言いますよ。
“SWIM”での“Virtual Insanity”の引用なんてズルい。
とにかく歌心も遊び心も凄かった。
躍らせる曲と聴かせる曲、どちらも突き抜けたうえで両立していた。
〈流行りのオシャレ系〉?
これが流行ってくれるなら大歓迎だ。
ずっと踊らせてください。
私がもっとオバさんになっても。
SIRUP SETLIST
M1. Intro
M2. Synapse
M3. Maybe
M4. バンドエイド
M5. LOOP feat.小西遼(CRCK/LCKS)
M6. Rain
M7. No Stress
M8. SWIM
M9. Do Well
セッション最高でした!
(ペンネーム:炙りハラス)
10月にイベントが発表された時点で、なんという神メンツだ!と思い、速攻でチケットの申し込みをしました。しかもキャパは600。アーティストとの距離も近い! 場所は代官山! ラインナップも場所も超おしゃれ! 絶対に熱い夜になるぞ……!とワックワクしながら会場に向かいました。
結果から言うと、本当に神イベントでした。
どのアーティストもかっこよく、初めて見たアーティストさんもとても楽しかったです。
中でも忘れられないのが、WONKのときのアーティストの垣根を超えたセッション!!
DOVETAILならでは!な組み合わせで、途中ステージにWONKがいないなんてこともありながら繰り広げられた濃厚な時間に、ただただ夢中になっていました。
〈昔の部室の中の雰囲気〉とMCでどなたかがおっしゃっていましたが、アーティストさんたちがあんなに伸び伸びと楽しそうに演奏していて、お客さんたちもノリノリで、音楽って最高だーー!って心から思いました。一生聴いていたいくらい楽しい時間でした。
それだけ盛り上がった後にしっかり“small things”でシメるWONKに大感動しつつ、終わった後はひたすら幸せで、寒い帰り道もずっとポカポカしていました。
最高の年明けイベントでした。豪華過ぎた! ありがとうDOVETAIL。次回も楽しみです!
WONK SETLIST
M1. Introduction#4-Pollux
M2. Midnight Cruise
M3. Common
M4. Dance on the Water
M5. Gather Round
M6. savior
M7. Butterfly (DOVETAIL SESSION)
M8. Small Things
DOVETAILというシーン
(ペンネーム:たろう)
とても個人的だが、今の日本の音楽は〈みんなで勝っている〉ジャンルがないと思う。
パンクが勝っていたり、ギター・ロックが勝っていたり、そういう絶対的なものがいまはないと思う。
〈MELRAW〉〈CRCK/LCKS〉〈ものんくる〉〈SIRUP〉〈WONK〉
厳密には同じではないし、そもそも〈みんなで勝つ〉ことや〈勝つ〉なんてこと自体が音楽の意味ではないのかもしれないが、
このシーンはひょっとしたらいまの日本の音楽シーンを変えていく、メインストリームになり得るのではないか、そう感じた1日だった。
各バンドにゲストが乗りまくり、セッションしたり、(たぶん)アドリブで曲が進行したり、
バンドスコアなんていらない、ルールもいらない、必要なのは最低限のマナーと最大限の音楽愛だけ。
パンク・バンドがAIRJAMに集結していたり、
ギター・ロック・バンドがこぞって20周年を迎えていたり。
いまの音楽シーンとはなんだったのか、目に見えて来るのは10年20年先になるのかもしれない。
そう考えると、今回の代官山UNITにいた500人が歴史の証人だった、なんてことになったらとてもおもしろい。
11月に開催される第2回とそれ以降に大いに期待したい。
Information
〈DOVETAIL〉のプレイリストが到着!
〈DOVETAIL〉開催前にTOKYO FM「RADIO DRAGON-NEXT-」内で行った座談会で発表された、各出演者が選んだ〈自分のバンドの推し曲/他出演者の好きな曲〉をまとめたSpotifyのプレイリストが公開中。今回参加した人もできなかった人も要チェックだ!
Live Information
〈DOVETAIL S/N 002〉
日時:2019年11月2日(土)、3日(日)
会場:東京・恵比寿LIQUIDROOM
出演:to be announced……
主催・企画・制作:Dentsu Music & Entertainment Inc.、サンライズプロモーション東京、ワイズコネクション
Official HP : https://www.dovetail.tokyo/002
Official Twitter : https://twitter.com/dovetail_tokyo