タイトル、些か不穏当かしら?…んー、まぁいいや。えーと、今日はRICK RUBIN絡みで攻めてみようかと思います。まぁなにしろ、ジャンルを問わずなんでもござれの万能プロデューサーですわな。勿論僕はロック方面以外とんと疎いのですが、さすがにBEASTIE BOYSやらNEIL DIAMONDは知ってますもの。

僕が思うにこのRICK RUBINという人は相当にミーハーなところがあって、とにかく各ジャンルの大御所のアルバムに自分の名前がクレジットされるのが嬉しくて堪らないんじゃないでしょうか。同じカテゴリーにあっても、例えばSLAYERと長く関わっていながらMETALLICAもやっちゃうとか、結構ルール無用な感じですよね。それからこの人、自分がプロデュースしたい大御所に辿り着くために別のバンドで練習をしていると思しきケースが散見されます。これねぇ、踏み台にされたバンドはどう思っているんでしょうねぇ…と、そういう話です。

まずはケースその1。AC/DCの『Ballbraker』は1995年リリースでしたが、そこから4年遡るとこんなのが出てきます。

うひょ、超カッコイイ! THE FOUR HORSEMENというバンドでございます。ZODIAC MINDWARP AND THE LOVE REACTIONでKID CHAOSを名乗っていたHAGGIS(これも通り名、本名はSTEPHEN HARRISです)をメインに何故かアメリカで結成されました。僕は『Ballbraker』のプロデュースがRICK RUBINに決まったというニュースに触れた時、すぐにこのバンドのことを思い浮かべました。あぁ、遂に念願叶えやがった…てなもんです。翻ってTHE FOUR HORSEMENは本作『Nobody Said It Was Easy』(1991)1枚のみでDef Americanからドロップ…というのも薬物関係で問題の多い人達でございまして。ボーカルFRANK C. STARRがしょっちゅう捕まって収監されてしまうので活動がおぼつかないという情けなさで、そりゃ切られちゃう方にも問題あるわな。それでも94年にはほぼ自主制作ながら2ndアルバムの『Gettin' Pretty Good...At Barely Gettin' By』をリリース、おー、元気そうでなによりだと、僕のような聴き手を喜ばせたのです。

…が。実はこのアルバムのレコーディング中にドラマーのKEN MONTGOMERYが薬物の過剰摂取で死亡しており、にも係わらずFRANK C. STARRの態度が全く改まらないという体たらくに嫌気が差してHAGGISはバンドを脱退、敢えなく解散と相成りました。なんというか、悲劇ですねぇ。

 

次、ケースその2はMICK JAGGERJOHNNY CASHの2人に絡んで名前の出てくるブルースバンド、THE RED DEVILSです。

1992年のアルバム、『King King』の冒頭を飾るWILLIE LOVEの曲です。最初にこれ聴いた時、僕はRICK RUBINがおかしくなっちゃったんじゃないかと心配になりました。だって、こんなシカゴスタイルのハモニカが高らかに鳴り響くのは余りに予想外過ぎるでしょ。いきなりライブ盤でデビューってのも、本格派ブルースの醍醐味なんだかレコ―ディング費用をケチったんだか判然としないしw

しかしこのバンドをダシにしてMICK JAGGERとセッションをさせ、まんまと『Wandering Spirit』(1993)のプロデュースに漕ぎ着ける辺りの狡猾さたるや。しかもそのセッションレコーディングはお蔵にして、本番はFREEだのLENNY KRAVITZなんて有名どころを使ってきっちりコマーシャルに仕上げるという。更にはJOHNNY CASHともスタジオ入りさせて、いやいやいや、わしはヒップホップとかメタルだけじゃありませんよ、とちゃっかりアピールしているんですから、もうね、強者、辣腕としか言いようがありませんわ。

で、一方THE RED DEVILSはやはりアルバム1枚で契約終了。もっともこちらも、RICK RUBINはJOHNNY CASHとのセッションの直後に2ndアルバムの録音を提案していたようで、実際に9曲が準備されましたが残念ながら完成には至らなかった模様です。ボーカル/ハモニカのLESTER BUTLERに薬物の問題があって(こっちもかい!)、結局バンド解散後の1998年に過剰摂取で亡くなってしまったんですけどね。なんともはや。

 

おまけにもうひとつ、どんなに時間が掛かっても諦めないRICK RUBINの執念を感じるケースその3。

1988年のアルバムということで、まだRICK RUBINにもそんな大それた野心は無かったかも知れません。音楽的にも直接的な共通点は余り多くないと思います。しかしこのバンドの名前がMASTERS OF REALITYだという点には注目しておきたいところです。

こちらは90年ですか。METAL BLADE RECORDSから引き上げてのメジャーリリースとなったTROUBLEの4thアルバムですね。ここまで来るとRICK RUBINの意図はかなり明確ですが、なぜかその後本丸には斬り込まないままどんどん時間が経ってしまいます。漸く本懐を遂げたのはなんと去年のことでした。

あー…OZZYが戻ってきて歌うまでずっと待ってたのねw 物凄い忍耐力、そして強運。

と、まぁ散々書き散らかしましたが、基本的に僕の邪推ですから信憑性については大いに疑っていただければ。普段からこんなことばっかり考えてるもので、本当に申し訳ありません。