元医大生のデイヴ・ベイリーを中心に、幼馴染み4人が集ったオックスフォードのインディー・ダンス・ユニット。この初フル・アルバムは、ポール・エプワースが新設したウルフ・トーンの第1弾リリースということでも大きな話題を呼んでいる。カニエ・ウェストとヴェルヴェット・アンダーグラウンドを影響源に、ほとんどの楽曲を真夜中に書いたとのことで、なるほど、インドア感満点で、知的かつ芸術的で、暗くて美しいサウンドだ。ダブステップやチル&Bを下地にニューウェイヴ的な歌モノへアプローチしていく手法は、ダークスター『News From Nowhere』と似たものを感じる。評論家筋での評判も良く、現時点で次の〈マーキュリー・プライズ〉にもっとも近い一枚じゃないだろうか。