4Kカメラの高精細な映像によるE235系、昼夜展望作品が満を持してリリース!

 鶯色の懐かしき国電カラーの103系が引退して30年余り。205系、E231系と都心の大動脈を支え続けた 「ま~るいみどりの山手線♪」も、オリンピックイヤーには全車両がE235系に置き換えられるとのこと。「アップルウォッチ」「電子レンジ」などの異名をとる先頭車両の独特なグラデーションが印象的なデザインも街に馴染んできたところで、4Kカメラの高精細な映像によるE235系の昼夜2作の前面展望作品が、満を持してリリースされた。

E235系山手線 4K撮影作品 内回り/外回り ビコム(2019)

 東急東横線跡との交差、田町車両センター跡などごく最近の遺構から、橋上駅として生まれ変わる原宿駅や、新設工事中の高輪ゲートウェイ駅まで、沿線の劇的な変化を鮮明な映像で楽しめる 『E235系山手線 4K撮影作品 外回り/内回り』。並走する各路線やすれ違う列車もきめ細やかにテロップでフォローされ、マニアでなくとも山手線の魅力を存分に感じることができる。音の方も、各駅の発車メロディや自動放送、駅員さんのアナウンスまでクリアに収録。太めの響きが特徴のE235系のインバータ音も心地よく、目黒などの半地下構造駅ではリバーブ感が若干増したりしているのも生々しい。

 

Train Night View E235系 夜の山手線 4K撮影作品 ビコム(2019)

 一方『夜の山手線』の方は、4Kならではの質感がさらに際立っている。品川~東京や池袋・新宿など、オフィスビル群の光の競演もさることながら、山手線唯一の踏切(第二中里踏切/田端~駒込間)の赤い点滅が、その対比も相まりノスタルジックな雰囲気を際立たせていたところも、個人的には嬉しい発見だった。

 車窓を眺めながらの一杯は旅の醍醐味。首都圏の通勤列車の中で”呑み鉄”は乗客の迷惑にしかならないが、この映像が肴なら、自宅でゆっくり晩酌しながら山手線の展望が楽しめそうだ。