諸星すみれ
瑞々しい歌声がついにデビュー!

 TVアニメ「アイカツ!」で主役の星宮いちご役を務め、ディズニー映画「シュガー・ラッシュ」ではヴァネロペ役の日本語版吹替えを担当して注目を浴びた声優、諸岡すみれが歌手デビュー。ミニ・アルバム『smile』を発表します。リード曲となる“真っ白”は、10月から放送開始のTVアニメ「本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~」のオープニング・テーマ。シンフォニックなアンサンブルが盛り上げる同曲ほか、多くの作/編曲を担った白戸佑輔の清廉としたサウンドを基調とした一枚で、主役の可憐で、卓越していながらときおり素の表情を覗かせるヴォーカルを美しく引き立てております。

諸星すみれ smile FlyingDog(2019)

 また、岩里祐穂や最果タヒらの提供した歌詞も聴きどころ。個人的な優勝曲は、宮川弾が作詞/作曲からアレンジまでを手掛けた“アスファルト”と“足りない音はキミの声”の2曲で、前者はストリングスが流麗に舞うドラマティックなバラードに、後者はセンシティヴなメロディーをチャーミングな音が支えるエレクトロ・ポップに仕上げられており、どちらも甲乙付け難い出来映え。本間昭光の作曲によるフォーキーでいてアップ・リフティングな“青い関係”もアンセミックな風格を備えたキャッチーなナンバーで、ライヴで盛り上がりそう。総じて、デビュー作らしからぬテクニカルな完成度を備えていながら、デビュー作らしい瑞々しさに溢れているのが素晴らしい。ヴォーカリストとしてのポテンシャルを存分に感じさせる文句なしの作品で、早くも次回作を期待してしまいます! *澤田大輔

 

NEW GENE
自由度が無限大な「火の鳥」のインスパイア盤が登場!

VARIOUS ARTISTS NEW GENE, inspired from Phoenix EVIL LINE(2019)

 手塚治虫の生誕90周年を機に「火の鳥」にまつわるコンピレーション・アルバムがリリースとなる。手塚が生涯をかけ、1954年から1986年に渡って連載された同作は、舞台は日本から宇宙まで、時は太古から未来までが描かれた超大作マンガ。そんな壮大すぎる「火の鳥」からのインスピレーションを基に新曲を書くというのは生半可な覚悟では取り掛かれないであろうプロジェクトだが、この不朽の名作に感銘を受けた10組のアーティストが思い思いの表現で挑んだ。

 お題はあれど、細かい指定がない。半ば無茶振り(?)なオファーで、制作側には相当なプレッシャーがあったからこそ、本作は緊張感たっぷりでスケールが大きい、自由度の高いインスパイア・アルバムに。先陣を切る浅井健一をはじめ、GLIM SPANKY、佐藤タイジはロックの熱量十分に、どこか憂いを帯びたヴォーカルと艶っぽいギター・サウンドで聴き手の想像力を喚起。Shing02 & Sauce81は一転、ダークなピアノが渦巻く狂気じみたトラックと芸術を問うラップで本質に迫り、TeddyLoidはAI(人工知能)を自称するKizuna AIと共に、火の鳥そのものを彷彿とさせる儚くも鮮やかなEDMアレンジで魅了。インスト・バンドのtoconomaはシネマティックで切ない音像を通して〈人間とは何か〉を伝えてくる。曲調はバラバラでも、得意な音楽性で作品へ魂を込める姿勢は誰もが揺るぎなく素晴らしい。

 なかでも、感情が芽生えたロボットを思わせるやくしまるえつこの朗読から、すべてに手を差し伸べるような七尾旅人の深遠さ、コード進行の妙と子どもたちの歌声で時代の行き来を表したドレスコーズへと繋がる流れは完璧。森山直太朗が最後に弾き語りで残す余韻もたまらなく優しい。これは、マンガのほうも読みたくなる! *田山雄士

『NEW GENE, inspired from Phoenix』に参加したアーティストの作品。
左から、浅井健一の2019年作『BLOOD SHIFT』(ARIOLA JAPAN)、GLIM SPANKYの2018年作『LOOKING FOR THE MAGIC』(ユニバーサル)、11月6日にリリースされる佐藤タイジのニュー・アルバム『My Hero』(WISDOM)、Shing02 & Sauce81の2019年作『S8102』(OCTAVE)、TeddyLoidの2018年作『SILENT PLANET: INFINITY』(EVIL LINE)、Kizuna AIの2019年作『hello, world』(upd8)、toconomaの2017年作『NEWTOWN』(JUNONSAISAI)、10月30日にリリースされるやくしまるえつこのニュー・シングル“アンノウン・ワールドマップ”(みらいrecords)、七尾旅人の2018年作『Stray Dogs』(felicity)、ドレスコーズの2019年作『ジャズ』(EVIL LINE)、森山直太朗の2018年作『822』(ユニバーサル)

 

今月の素敵音楽from2Dao and more!

内田真礼 you are here ポニーキャニオン(2019)

FLOWのTAKEが“GO!!!”ばりのアンセムを贈った“波乗りキャリーオン”で幕を開け、田淵智也×å堀江晶太らしい激走ロック、曽我部恵一提供のロマンティックなサマー・チューンといった豪華作家陣の楽曲が並ぶミニ・アルバム。How-Low-Helloふたたびと言いたい麻枝准の“Seasons Come, Seas­­ons Go”があまりにもエモすぎて泣ける。 *北野

 

fripSide infinite synthesis 5 NBCユニバーサル(2019)

南條愛乃が加入して10年目を迎える彼らの新作は、ロッキンな“when chance strikes”から〈これぞfripSide!〉と言えるデジタル・ポップ“believe in your future”まで、周年をことさら強調するのではなく、現在のモードをストレートに提示する一枚に。そのなかで過去の楽曲へのアンサーをひっそりと忍ばせているのも燃えポイント高し! *北野

 

虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 Love U my friends ランティス(2019)

〈ラブライブ!〉シリーズのスクールアイドルたちによる2作目。上原歩夢(CV:大西亜玖璃)の歌う晴れやかなポップ・チューン、コケティッシュな歌唱が光る中須かすみ(CV:相良茉優)曲、歌謡メロに切なさが滲む桜坂しずく(CV:前田佳織里)曲などカラフルなソロ曲が楽しい。ラストの全員曲は明日への希望に満ちたアップで、後味はとても爽やか! *土田

 

VARIOUS ARTISTS ナカノヒトゲノム【歌唱中】02 ランティス(2019)

「ナカノヒトゲノム【実況中】」の挿入歌集の第2弾。今回もfhánaの佐藤純一が作/編曲を手掛け、作詞は同バンドのtowanaや、田淵智也らが担当。これまでにないtowanaの激唱にドキッとするfhána曲をはじめ、NOW ON AIRの胸膨らむハッピー・チューンには共同アレンジにyuichi NAGAOの名も。湯毛、亜咲花、南波志帆も歌唱で参加。 *土田

 

SawanoHiroyuki[nZk] Tranquility/Trollz SACRA MUSIC(2019)

「銀河英雄伝説 Die Neue These 星乱」のエンディング曲と、かつて澤野が劇伴を担った作品にヴォーカルで参加していたLicoと組んだ新曲の両A面シングル。歌唱にAnlyを迎えた前者はシーアあたりを想起させる壮大なミディアムで、後者は重厚なパワーに圧倒されるシリアス・チューン。他2曲も含め、海外志向のサウンドに唸る全4曲だ。 *土田

 

DIALOGUE+ はじめてのかくめい! ポニーキャニオン(2019)

内山悠里菜、稗田寧々、守屋亨香、緒方佑奈、鷹村彩花、宮原颯希、飯塚麻結、村上まなつによる声優ユニットが、田淵智也×田中秀和の強力コンビが書き下ろした“はじめてのかくめい!”でデビュー! パンクからボッサまで要素てんこ盛りのサウンド上を8人の歌唱が溌剌と駆け抜ける凄い一曲だ。ZAQ×堀江晶太製のロッキンな自己紹介曲も◎! *土田

 

MYTH & ROID TIT FOR TAT KADOKAWA(2019)

3か月で届いた新シングルの表題曲は、「慎重勇者~この勇者が俺TUEEEくせに慎重すぎる~」のオープニング曲。ヘヴィーに歪んだギターがリードする同曲は、このユニットのハード・ロッキンな格好良さを押し出したナンバーで、こういう路線は久しぶり? カップリングにはよりダンサブルな仕様となった“STYX HELIX”のKIHOUによる歌唱版を収録。 *土田