Page 2 / 2 1ページ目から読む

変わり続けるKaedeをサポートした面々

 このたびのアルバム『今の私は変わり続けてあの頃の私でいられてる。』に集ったブレーンのうち、とりわけKaedeと関わりが深いのはまずはスカートの澤部渡だろう。5年に渡って彼女のバックで演奏してきた彼は先行曲“あの娘が暮らす街(まであとどれくらい?)”(前者はスカートのアルバムでもセルフ・カヴァー済み)と“スウィート・リグレット”を提供したほか、鈴木亜美 joins キリンジの名曲カヴァー“それもきっとしあわせ”では編曲も担当している。その“それもきっとしあわせ”をキリンジ時代に作曲していた堀込泰行が今回“花束”を書き下ろしているのも繋がりを感じさせるトピックだ(なお、現KIRINJIがNegiccoに“愛は光”を提供しているのは言わずもがな)。

 一方、2018年の7インチが初出の“ただいまの魔法”を提供したのは、同年にソロ・デビューも果たしているTRICERATOPSの和田唱で、今回Kaedeが披露したTRICERATOPSのカヴァー“2020”ももちろん和田のペンによるもの。そちらのアレンジ担当は“クラウドナイン”の提供や“蛍の光”の編曲にも携わった佐藤優介(カメラ=万年筆)だ。先行曲ということでは、“Remember you”を手掛けた堂島孝平もNegicco作品から繋がる理解者である。他にも初顔合わせとなった伊藤ゴローや王舟、台湾のEVERFORもいるし、さらにミニ・アルバムには櫛引彩香やadvantage Lucy、曽我部恵一、Lampの染谷大陽、空気公団の山崎ゆかりらが名を連ねてもいるので、Kaedeから広がるグッド・ミュージックの輪を探求してみるのもいいかもしれない。 *香椎 恵

関連盤を紹介。