Mikiki編集部員が最近トキめいた邦楽曲をレコメンドする毎週火曜日更新の週刊連載〈Mikikiの歌謡日!〉。連載100回を超え、4人が1曲を厳選し計4曲を掲載してまいります。 *Mikiki編集部

★〈Mikikiの歌謡日!〉記事一覧

 


【酒井優考】

ニガミ17才 “HEELS”

ニガミ17才を初めて聴いた時(『やさしい怪人』の頃)も、『a』の時も『b』の時も、絶対にビッグになるとは思っていたけど、こういう風に進化していくバンドだとは想像もできませんでした。と同時に、この変態さを受け入れられる人や、関わっていく人がこんなに急に増えていくのも想像できなかった(ビッグになるとは思っていたけど)。この曲については細かく語りたいところもあるけど、YouTubeのコメント欄のニガジュウシストの方々の方が詳しいし、語ったところでちゃんと説明できないだろうしちょっと悔しいな。一体なんだろうこの音楽は。まあでも全部を説明できたら音楽要らないしな……。とにかくこのバンドは今後もますます凡人の想像をはるかに上回るような進化を遂げていくんだろうなと思ってます。

 

【天野龍太郎】

山下智久 “Beautiful World”

山Pこと山下智久さんの新曲が配信で聴けるなんて思っていなかったので、これはうれしい驚き。作詞は自身が担い、作曲とプロデュースはUTAによるもの。ジャスティン・ビーバーやゼインなどを思わせる今様のポップでエレクトロニックなR&Bで、激かっこいい。覚悟を決めたような力強いヴォーカル、そして決意が滲む歌詞は、独立を経て海外の映画やドラマに出演するなど挑戦的な活動を続けている彼のいまの心境そのもののように思えました。配信リンクはこちら

 

【鈴木英之介】

Kaede(Negicco) “サイクルズ”

2020年作『おさきにどうぞ』で瑞々しいポップセンスを炸裂させたことも記憶に新しい、シンガー・ソングライターの田中ヤコブが作詞・作曲・編曲を手掛けたナンバー。ビートルズ(特にポール・マッカートニー)直系の弾むようなポップ・ロックとヘヴィメタル的なギター・ワークの交錯するサウンドが、いかにも彼らしくてたまらない。Kaedeの愛犬〈ゆき〉が登場するノスタルジー全開のミュージック・ビデオとともに噛みしめれば、切なくも温かな気持ちになれること請け合いだ。

 

【田中亮太】

WANG GUNG BAND “SPICE”

京都を拠点に活動する7人組がリリースしたばかりのファースト・アルバム『WANG GUNG BAND』より。ちょうど昨日、新木場STUDIO COASTの〈BAYCAMP〉で彼らのライブを観たのですが、サックスと2つの鍵盤を華やかに活かしたヤング・ソウル・レベルズな演奏が最高でした。声質の違う2人のヴォ―カリストを擁していることも大きな魅力になっていて、各人の歌声自体がソウルフルであることに加え、それらが重なったときの美しさといったら。来年あたり、フェスにひっぱりだこ間違いなしなバンドの登場です。