「花と雨」をもっと楽しむための、SEEDA作品の一部を紹介!

SHIDA名義の初作から約4年を経て、I-DeAの後見で登場した再チャレンジの2作目。前作よりも英詞の割合を増し、脇目も振らぬ速射フロウの刺々しさも相まって雰囲気は攻撃的だ。“外角低目”を引用した“Nothing Change”や当時のサウスっぽい“Money”が印象的。

I-DeAに加えてBACHLOGICが4曲を手掛けた3作目。不穏なSCARS作法から和み系の“U Send Me”、L-VOKALとの真摯な“Life”、leccaとの“Azure”まで、ギアを切り替えたフロウの多彩さが多様な曲調を呼び込んでいる。燻った日々を顧みる“Think Back”は次作へ繋がるものだ。

SCARS 『THE ALBUM』 Flashsounds/Pヴァイン(2006)
唯一無二なスキルの持ち主たちが織り成すグループの初作にして、控えめに言っても2000年代を代表する日本語ラップ作品のひとつ。ソウルフルなネタ使いの佳曲が揃い、重心の低いビートにアプローチすることで、SEEDAも歌うようなフロウの独創性を獲得している。

SEEDA 『花と雨』 KSR/CONCRETE GREEN(2006)
今回の映画の元になったBACHLOGIC全面制作の名盤。冒頭の“ADRENALIN”からビートとラップの一体感が完璧で、言葉を届けることを意識したマイク捌きで最後まで一気に聴かせる。ユーモラスな“不定職者”“Sai Bai Man”から後半のリリカルな展開まで隙のない傑作だ。

メジャー流通の『街風』を経て、改めて自主で作った大傑作。BACHLOGICとI-DeAが半分ずつを手掛け、A-THUGとの“自由の詩”やブルージーな“Son gotta see tomorrow”などどこを切っても名曲揃い。ORITOやLUNAの歌声も全体のソウルフルなムードを彩る。

A-THUGやBESも不在の状況下で作り上げ、メンバー間の不和までも曲に落とし込んだ2作目。SEEDAは計5曲に登場し、タフなマイクリレーの“Come back”や緩急自在なソロ曲“万券Hits”、BRON-Kを招いた“ONEWAY LOVE”などでフレキシブルな技量を見せる。

リリース前後の諸々も話題になったセルフ・タイトル作。鮮烈な“GET THAT JOB DONE”を手掛けたOHLDを筆頭に多数のプロデューサーを起用し、政治から路上まで多様なトピックを余裕の語り口で放つラップの敏捷性が凄まじい。余韻を残す“夢からさめたら”が聴きもの。

復帰後の初アルバム。ハウシーな“SET ME FREE”からアコギ系ループの“alien me”、重厚な“DREAMIN'”まで振り幅を広げたBACHLOGICのビートに芯のあるラップで呼応し、クレイダやデヴィッド・バナーとの手合わせも実現。この後にはメジャーで2作品を発表している。

限定リリースの『8 SEEDS』を除けばアルバムからしばらく遠ざかっている彼だが、こちらはDJ ISSOと取り組んできた名シリーズの現時点での最新弾。Chaki ZuluのトラックでJunkmanとkZmと組むというYENTOWN仕様の“BUSSIN”で荒々しく気を吐いている。