Mikiki編集部員とTOWER DOORS担当・小峯崇嗣が最近トキめいた邦楽曲をレコメンドする毎週火曜日更新の週刊連載〈Mikikiの歌謡日!〉。連載100回を超え、5人が1曲を厳選し計5曲を掲載してまいります。 *Mikiki編集部
【酒井優考】
黒子首 “Champon”
職業柄ってこともあるし、友人も音楽好きばかりなのでいろんな人から「酒井君こういうの好きじゃない?」「これ酒井君っぽいなあ」とか言われて、みんなそれぞれ違うけど割とみんな好きになることが多いのですが、TOWER PLUS+誌の編集・田口さんから「酒井君っぽいからインタビュアーやってみない?」と言われて聴いたらドンピシャでした。〈ほくろっくび〉っていう変わった名前の3人で、何と言ってもヴォーカルの堀胃あげはさんの声が特徴的(でも他の2人も面白い人でした)。少し先ですが、7月27日(火)に初の全国流通アルバム『骨格』がリリース。記事は7月1日発行のTOWER PLUS+誌、もしくはリリース日前後にMikikiにアップされるはずです。原稿が間に合えば!(いや絶対間に合わせます!)
【天野龍太郎】
SEEDA “Pa-Ke”
SEEDAがドリル!という驚き。と書いて気づきましたが、〈ドリル〉という言葉はもはやシカゴ・ドリルではなくて、UK/NYドリルを指す言葉になっているんだなと実感。そんなことはどうでもいいのですが、ラッパーとしてのSEEDAのどん欲さと好調ぶりを示すハードな曲だと思います。
【鈴木英之介】
青葉市子 feat. Mac DeMarco “ベランダの風”
最新作『アダンの風』(2020年)で更なる孤高の境地へ至ったシンガー・ソングライターの青葉市子とカナダのインディー・ヒーロー=マック・デマルコによる、これまでにありそうでなかったコラボレーション。発せられるや否や場の空気を一変させてしまう青葉市子の透き通った声の静かな迫力に圧倒されていると、やがて朴訥とした調子で日本語詞をユニゾンするマックの歌声が聴こえてきて、途端にほのぼのした気分になる。そしてボサノヴァ風のギターのみによるシンプルなアレンジが、彼らの歌の魅力をさらに引き立てている。風に吹かれて飛んできた一片の緑葉のように、ふと日常を訪れる小さなドラマを切り取ったこのショート・ムービーも素敵だ。
【小峯崇嗣】
WATER DAWGS feat. aryy, hanoishasi frankhouse & Power “Nahmin (Prod. Y ohtrixpointnever)”
関東のリバーサイドを拠点に活動するヒップホップ・クルー、WATER DAWGSが、aryy(ex-non albini)を客演に迎えた“Nahmin”をリリースしました。個人的には、今年1番といっていいほど衝撃を受けた曲です。冒頭からaryyによるアンセミックな歌メロと、Y ohtrixpointneverが手掛けた夏を感じるアップテンポなトラックが最高です。それに乗るhanoishasi frankhouseの滑らかなフロウが楽曲を鮮やかに彩っています。後半からの奇想天外な展開に合わせて、Powerが変幻自在なラップを披露。その才能にも驚きを隠せません。そんなエナジーがたっぷり詰まった力漲る会心の1曲です。
【田中亮太】
NTsKi “Misty”
若者たちからのレイヴ再評価が進んできた昨今、コロナ禍はそうした潮流をより先鋭化/地下志向に導いてきた印象を受けています。それは良くも悪くもな気もしますが、さすがにそろそろ燃えたぎるマグマが地上へと溢れ出て、とてつもない噴火が置きそうな予感も。NTsKiさんによるトランシーなダンス・ポップ――これが時代の欲望を映した声なんだろうなと思います。JACKSON kakiさんによるMVもすごい。