屈託のないキャラ人気も浸透するなか、初の全国流通盤となる前々作『ぎっしり歯ぐき』からちょうど1年、その間にメジャー・デビュー作『めじゃめじゃもんじゃ』を挿んでの新作が早くも完成。多作ぶりはかねてから証明済みだが、前作以上にトラックメイクもヴォーカル表現も一曲一曲が丹念に磨かれた印象だ。ビートと歌唱フロウの一体化した心地良さはメロウに迫る冒頭曲の“DEKI☆NAI”から明らか。ファンキーでパワフルな“壁みてる”、ニューウェイヴ調の“おばあちゃんがサイドスロー”、トラッピンな“スクワットブンブン”などアレンジの振り幅も楽しい。一方でラヴソングの“夏のラーメンワルツ”や“あたかもガガ”など胸を刺しにくるまっすぐな歌唱も健在。さらに広範な飛躍を期待したくなる出来映えだ。