タワーレコード日本上陸40周年記念イベント〈Pop'n アイドル04〉の大舞台でも確かな存在感を示したRYUTistの4人。2020年6月20日(土)に新潟市⺠芸術文化会館で行うホール・ワンマン・ライブに向け、年始から気合十分!
バンド〈The RYUTist〉ではギタリスト(!)を務めている宇野友恵さんによる書評連載が、この〈「好き」よファルセットで届け!〉です。第4回目に取り上げるのは、〈シティ・ポップの女王〉とも謳われる歌手・土岐麻子さんのフォトエッセイ集「愛のでたらめ」。アルバム『Bittersweet』(2015年)の背景を綴った一冊から、友恵さんは何を感じ取ったのでしょうか? *Mikiki編集部
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はろぴょん!
〈RYUTist宇野友恵の「好き」よファルセットで届け!〉第4回目になります。
あけましておめでとうございます!
2020年になり、東京オリンピックより気になることは、RYUTistが活動する古町7番町に新しいビル〈古町ルフル〉さんが建つことです。
春に完成予定ということで、モールの屋根も新しくなり、古町がどうなっていくのか楽しみです。
今回ご紹介するのは土岐麻子さんの「愛のでたらめ」です。
歌手の土岐麻子さんのアルバム『Bittersweet』の〈楽屋裏〉と土岐さんが称する本になります。
土岐さんとの出会いは中学2年生の冬。
スタッフさんから“How Beautiful”のライブ映像を観せていただいた時の違和感を覚えています。
私がそれまで聴いていたのはアイドル・ポップスばかり(主にハロプロさん)でした。
ダンスあり、歌があり、お客さんの声援と歌が混ざる一体感と興奮……。
盛り上がりをある種の楽曲の強さ(良さ)の基準のように考えていた私は、土岐さんのライブを観た時に、踊らないことや張らない歌い方に驚きました。
当時の私には土岐さんの歌声が〈綺麗なのか?〉〈美しいのか?〉と判断することも出来なくて、土岐さんの歌声を聴いて思ったことは、〈クセになる〉〈気になる〉〈違和感〉に近かったです。
それが個性で、土岐さんの魅力だと気づくのに時間はそれほどかかりませんでした。
それは、土岐さんの音楽を大好きになったからです
『Bittersweet』は私が自分でお金を管理するようになった高校生の時に、自分のお金で初めて買ったCDです。
とっても嬉しくて、包装されているビニールもラッピングを拡げるようにそっと開けて、指紋がつかないようにCDをプレイヤーにセットして、再生ボタンもいつもよりゆっくり押しました。
“セ・ラ・ヴィ 〜女は愛に忙しい〜”が流れました。
ひゃーーー(>o<)みたいな感じです。わかりますよね?※
このアルバム『Bittersweet』は友情や恋愛や仕事や、日常の様々な愛に忙しかった土岐さん自身をモデルにして作った1枚だとこの本でおっしゃっています。
今回改めて通して聴いてみたら、失恋を忘れようとクラブに出かける女性、自分自身を愛そうともがく〈私〉、夢いっぱいで上京してきた少女のその後など、全部女性を主人公にした曲で、色々な愛の形がありました。
あの頃はわからなかった歌詞の世界も、今聴くと想像できるようになったということは、少し大人に近づいたのかなと感じられて嬉しいです※。