ルイス・コール・グループの一員としても活動するベーシスト、サム・ウィルクス。2018年にリリースされた作品ではそのルイス・コールなどを迎え特異なアンビエント・ジャズを展開していたが、盟友サックス奏者、サム・ゲンデルら初作参加コアメンバーとの実況盤。その特異な空間は今作でも作り上げられているが、より実験性の高い即興によるスリルと楽曲のヴァリエーションの拡がりがある。アリス・コルトレーンのカヴァーもあり、フライング・ロータスを始めとするLAマナーなスピリチュアリティも垣間見せつつもそのオリジナリティは圧倒的。リオの若き鬼才ペドロ・マルティンスも1曲参加。

 


2018年のベスト作という呼び声も高かったサム・ウィルクスの初ソロ作『Wilkes』だが、そのリリース直後の2018年11月に録音されたライヴ音源を中心に構成された企画盤がこちら。件のアルバムからの楽曲に加え、ジョー・ヘンダーソンやアリス・コルトレーンらのカヴァーも披露。上品かつ大胆なUS西海岸新世代ジャズの醍醐味が堪能できる内容につき、現行ジャズ・リスナー以外もチェックすべし。