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インタビュー

メゾソプラノ高野百合絵、ヴァイオリニスト福田廉之介、指揮者・坂入健司郎インタビュー コロムビア新レーベル、オーパス・ワンの2期生たち

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福田廉之介
音楽界の未来も展望する異才ヴァイオリニストがデビュー

 次代のクラシック界を担う異才を紹介するレーベル〈オーパス・ワン〉の第2期生としてCDデビューを果たしたヴァイオリニストの福田廉之介。1999年岡山県生まれで、2014年のメニューイン国際コンクール・ジュニア部門で優勝を飾り、その後も数々の国際コンクールで入賞を重ねている注目のアーティストだ。現在はスイスのローザンヌ高等音楽院に在学中。P・ヴェルニコフ、S・マカロバに師事している。デビュー・アルバムに選んだ作品は、ワックスマン《カルメン幻想曲》、竹内邦光《落梅集~無伴奏ヴァイオリンのために~より「古謡」》、そしてプロコフィエフの《ヴァイオリン・ソナタ第2番》だ。

福田廉之介 プロコフィエフ:ヴァイオリン・ソナタ第2番 OpusOne/コロムビア(2020)

 「世間では、福田と言えばワックスマンの《カルメン幻想曲》と言われているようですが、これは小学6年生の時から弾き続けている曲で、当然のことながら、大人になるに従って、作品の解釈も変わってきています。実際にオペラの『カルメン』の上演を観たり、あるいは年上の音楽家の方々の話を聞いたりして、女性や恋についてのイメージもずいぶん変化して来たので、今の自分の解釈を出すことが出来たらなと思って選びました。竹内さんの作品は、現代の作品でありながらとてもシンプルなところが気に入りました。ストンと自分の中に入って来るところがあり、同時にミステリアスな要素もあって面白い作品です。プロコフィエフの第2番のソナタは、作曲家の生きていた時代を感じさせます。戦争の時代の緊張感もあり、同時に平和を希求する気持ちを感じさせる部分もあると思います。ここ数年、取り組んでいた作品なので、今回の録音の中に入れたいと思いました」と福田は語る。人前で演奏するのが大好きで、練習は嫌いだったけれど、拍手をもらった時の達成感が背中を押してくれた。工藤千博、漆原啓子などの師との出会いの運にも恵まれたと語る。演奏だけではなく、小学校の時からオーケストラを組織するシミュレーションをするなど、かなり大人びた一面もあった。そして、実際にこの秋から〈The MOST〉という12人編成の室内オーケストラを立ち上げ、国内ツアーを行う。

 「参加して下さる演奏家の方々はみんな僕より年上なのですが、このオケの主旨に賛同してくれました。単に名手を集めて演奏するだけでなく、人材育成も同時に行っていきたいと考え、オーディションで選んだ若い世代にも演奏に加わってもらいます」

 その東京公演は10月7日、東京文化会館の小ホールで行われる。福田自身も4月の読売日本交響楽団の〈土曜日曜マチネシリーズ〉で、サン=サーンス《ヴァイオリン協奏曲第3番》を演奏する。要注目である。 *片桐卓也

 


PROFILE: 福田廉之介
欧州ヴァイオリン戦線異状あり――痙攣的なひらめきを連続させる恐るべき20歳の〈現在〉がここに

1999年岡山県生まれ。2013年クロスター・シェンタール国際バイオリンコンクールジュニア部門優勝。2016年よりローザンヌ高等音楽院に飛び級入学。これまでに、河野園子、工藤千博、小栗まち絵、漆原啓子の各氏に師事。現在ローザンヌ高等音楽院にて、パヴェル・ヴェルニコフ、スヴェトラーナ・マカロバの各氏に師事。2020年4月には読売日本交響楽団の《土曜日曜マチネーシリーズ》にソリストとしての出演が決定している。

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