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憧れの人、映画音楽界の巨匠ハンス・ジマーとのコラボレーションを語る

 「パイレーツ・オブ・カリビアン」や「ライオン・キング」など、40年近くにわたって数々の名作を手がけてきた映画音楽界の巨匠ハンス・ジマー。ファレル・ウィリアムス、ビリー・アイリッシュらポップ・スターとの交流もよく知られているところだが、アラン・ウォーカーと聞いて驚かなかった人は少ないだろう。映画「インセプション」の公開10周年を記念して、今回新たに制作された“Time”のリミックスを、ノルウェー出身のDJ/プロデューサーのアランが担当。EDMシーンで大人気の23歳も、やはり驚きを隠しきれないようだ。

ALAN WALKER,HANS ZIMMER 『Time』 Sony Classical(2020)

「信じられないよ。ハンスはずっと憧れの人だったからね。そもそも僕の音楽キャリアは彼の影響でスタートしているし、彼から大きなインスパイアを受けてきた。ハンスもこのリミックスを気に入ってくれているから、喜びもひとしおなんだ」

 躍動感溢れるダンス・ミュージックでありながら、どこか幻想的でドラマチックなアランの楽曲。ハンス作品との共通点も随所に見出せる。

 「ハンスの作るメロディと哀愁を帯びたサウンドからは、大いに影響を受けている。“Time”は以前から自分でリミックスを作ってライブで掛けていたんだ。そしたら反響がいつも大きくて。でも、まさかこんな形でリリースできるとは思ってもいなかったよ」

 ミュージック・ビデオには、これまでビデオとほぼ無縁だったハンスも顔を覗かせる。一方、アランはノルウェーの海底レストランから演奏を繰り広げる。

 「新型コロナウイルス感染症のパンデミック下で制作された曲だから、聴く人に希望を与えたかったんだ。ビデオにも希望のあるストーリーを付け加えたかった。オスロ~ロンドン~ブダペスト~ニューヨークなど世界各地が舞台となっていて、人影のない街のビルや橋の上に、僕やハンスの映像が大映しにされる。映像によるポストカードのような感じで、この未曾有の危機を、みんなで乗り越えようというメッセージを送っているんだ」

 アランの世界的ヒット“Faded”は、日本では映画「ラプラスの魔女」の主題歌として用いられ、ファンの裾野を拡大した。将来的にはハンスのように映画音楽も手がけたいと目を輝かせる。

 「音楽が重要な役目を果たしている映画が理想的だよね。観る人の心を挑発するような映画が好きなんだ。いつかそういう映画のサントラを手がけられると最高だよね。クリストファー・ノーラン監督の『ダークナイト』や『インターステラー』も大好きだし、『インセプション』を観たときには、あの映画やハンスの音楽が、すぐさま僕のお気に入りになると分かったよ」