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【SONISPHERE】

〈ブリティッシュ・サマー・タイム〉から1日オフを挿み、今度はロンドンから1時間ほど離れたネブワース・パークという場所にて行われる、〈ソニスフィア〉というメタル・フェスティヴァルへ出演。僕たちが出演する日曜日はメタリカがヘッドライン。そして先日に続いて安定のバンドTシャツ率、会場が黒い。

黒さに負けない、綺麗な空
 

 

〈ソニスフィア〉は〈ザ・Metal〉というゴリゴリのラインナップだったので、自分たちの演奏序盤はメタルヘッズの反応に少々戸惑うも(いや戸惑っていたのはお客さんのほうか)、あるタイミングからスイッチが入り、演奏終盤はだいぶノってくれている人も増えて、ありがたかったです。メタル・ピーポー、焦らない。

演奏中の筆者。

 

(C)safeconcerts photography

 

 

演奏後、BABYMETALを観られずに悲しみにくれる筆者。

 

 

そうです、そうなんです。もともとBABYMETALが同日、同ステージの出演の予定だったので、観られるのを楽しみにしていたのです。しかしまさかの前日、メイン・ステージへ格上げ! 2年ほど前からBABYMETALを推し、海外での布教活動に勤しんできた私としては嬉しさ半分、でもライヴが観れずに悲しさ2倍。

【参考動画】BABYMETAL“ギミチョコ!!” ライヴPV

 

【参考動画】〈ソニスフィア〉のハイライト映像、BABYMETALの楽曲が使われている

 

気を取り直して、僕たちのツアー・ドライヴァー/ツアー・マネージャーをしてくれているゴードンがドラムを叩いているレイジング・スピードホーンというバンドのステージを観に別ステージへ。

ステージ袖からで上手く写真を撮影できなかったため、BO NINGENツアー中の彼の写真を一枚。

 

 

実は僕、かつて日本初と言われたラウド系フェスティヴァルのコンピレーションCDを(行ってないのに)2年連続で買っておりまして、『Beast Feast Admission』(2001年作)に収録されていたレイジング・スピードホーンの曲(“Superscud”)がコンピ内でいちばん好きで、よく聴いていたのです。

【参考動画】レイジング・スピードホーンの2000年作『Raging Speedhorn』収録曲“Superscud”

 

そして偶然は重なるもので、なんと今年まさかの再結成。さらに同じフェスの同日に出演することになるとは。なんともありがたきことであります。しかも、そのコンピに収録された僕の好きだった曲も演奏してくれて大満足。サークル・モッシュなるものも人生で初めて観ました(ももクロの“ココ☆ナツ”は除く)。

その後、レコード会社の方から絶対に観ておくべき!と念を押されていた大トリ、メタリカを観にメイン・ステージへ。正直過度な期待はしていなかったのですが……。本当に観て良かったです。 演奏力、そしてなによりサウンドが物凄く、プロダクションなどいろいろなことを含めたパッケージングとして素晴らしく、チーム全体が完璧にプロの仕事をしている印象でした。 他国に比べて多少劣悪な事例も多い、イギリスの野外ステージであそこまで完璧な音、初めて聴きました。

 

【参考動画】メタリカの2014年のライヴ映像

 

遠くからでも音は抜群。

 

 

この週末は、自分たちの演奏の前後にタイプが違う素晴らしい大御所3バンドを観れて大変な刺激になりました。ツアーを回ったり、多数フェスティヴァルに出演していると、ライヴを観る機会が多すぎるがゆえに刺激に慣れてしまうというのでしょうか、 環境に埋没してしまうことが多々あるかなと思います。それは音楽やライヴに限らず、家族でも恋人でも友人でも同じこと。

そんな根本的なことにも気づかされるような、目の覚めるようなライヴを観させていただきました。そして大きなステージで心から格好良いものを観る時、〈僕たちもあそこに立ちたい〉と、これまたとてもプリミティヴな感情とヴィジョンも立ち表れてきます。それらの感覚はこれからも忘れないようにしよう、と心に誓い、 フェスティヴァル会場を後にしました。

 

 

UKのフェスティヴァルから幕を開けたBO NINGENの夏ですが、これを執筆してる翌日にはポーランドの〈OFF FESTIVAL〉へ出演、その後スウェーデンシチリア諸島、ドイツで2本、オーストリアフィンランド、ベルギーとヨーロッパでの演奏が待ち構えております。そしてその後にはアメリカにてカサビアンのメイン・サポート・ツアー、UKでの バンド・オブ・スカルズのサポート・ツアーも待ち構えております。

いろいろな意味で今年は勝負。いえ毎ライヴ、毎日毎秒が勝負です。なによりも自分自身に負けないように、BO NINGENはいままで以上に前へ突き進みます。階段も、一段ずつかもしれませんが、確実に上へ昇っていきます。日本再上陸も、もう少しだけ待っていてくださいね。またお会いできる日までに、目に見える前進をめざして。

 

PROFILE/BO NINGEN


Taigen Kawabe(ヴォーカル/ベース)、Kohhei Matsuda(ギター)、Yuki Tsujii(ギター)、Akihide Monna(ドラムス)から成る4人組。2006年、ロンドンのアートスクールに通っていたメンバーによって結成。2009年にアナログ/配信で発表した 『Koroshitai Kimochi EP』が現地で話題となり、UKツアーのみならず、日本盤の発表後は日本でのツアーも成功させる。2011年にミニ・アルバム『Henkan EP』、2枚目のフル・アルバム『Line The Wall』をリリース。昨年から今年にかけて、〈フジロック〉やオーストラリアの〈ビッグ・デイ・アウト〉、USの〈SXSW〉〈コーチェラ〉といった各国の大型フェスへ出演し、ますます注目を集めるなか、待望のニュー・アルバム『III』(Stolen/ソニー)をドロップ。日本盤には世界各国でのライヴ音源もプラスされていますよ! また、9月にはカサビアンの北米ツアー、11月はバンド・オブ・スカルズのUKツアーにてサポートを務めるほか、各国でライヴの予定が目白押しです。そのほか最新情報はこちらのサイトでチェック!

【参考動画】BO NINGENの2014年作『III』収録曲“Slider”