文句ナシの傑作と最初に言っておきたい、フル・アルバムとしては4年ぶりとなる通算3作目。前作『LSC』の頃は時流もあってか〈宅録女子〉的なニュアンスで認識されていた側面もあったが、レーベル移籍しての今作では志向を反映してバンド・サウンドが一本筋を通した内容に仕上がっている。そんな気持ちの昂揚はタフなリフで引っ張るカッコ良いオープニングの“AH!”からも痛快に伝わってくるはず。オアシスやブリグリなどの多層構造なフィルターを通してマンチェからブリット・ポップ、ローファイまで多様な敬愛を表現した楽曲群は、フリッパーズな“More Light”やシューゲイズな“アトレーユ”など多彩なアレンジで飽きさせないし、何よりエッジの立ったキュートで闊達な歌いっぷりに聴き惚れてしまう。最高!