年の瀬ですね。レコード・ディグ納め&初めは、ぜひタワーレコードのアナログ専門店〈TOWER VINYL SHINJUKUで! 年末年始はTOWER VINYLで買ったレコードをご自宅でゆっくりと聴く、という過ごし方はいかがでしょうか?

この連載では、同店がおすすめする〈太鼓盤〉をさまざまな形でご紹介しています。今回お届けするのは、TOWER VINYLおよびタワーレコード新宿店のスタッフが選ぶ2020年マイ・ベスト・レコード。アナログ好きのスタッフが今年のお気に入り盤をピックアップして、コメントとともに掲載しています。

なお2021年1月1日(金・祝)、タワーレコード新宿店はお休みですので、お気をつけください。年末年始の営業時間は記事末尾か、新宿店のSNSFlagsのオフィシャルサイトをご確認いただければと思います。 *Mikiki編集部

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太田陽士郎(TOWER VINYL)の1枚

THE LEMON TWIGS 『Songs For The General Public』 4AD(2020)

昔から新譜より旧譜をよく聴いたり買ったりすることが多いのですが、今年を振り返ってみると家で音楽を聴く時間が増えて、今までよりも様々な新譜に出会い楽しめた年になったなと思いました。8月に届いたレモン・ツイッグスの新譜は特に夢中になって聴きました。彼らの最高にポップネスに満ち溢れた楽曲に、巧みに奏でられるロックンロールは無条件に元気が出るし、音楽は楽しいって事を痛感させてくれます。ジャケットはもちろんインナー・スリーブも超カッコイイ、完全に部屋のレコード棚に入っていてほしいヤツです。

 

伊藤慶太(TOWER VINYL)の1枚

MARIAH CAREY 『The Emancipation Of Mimi』 Def Jam/UMe(2020)

世界的歌姫マライア・キャリーが、今年でデビュー30周年! ということで、歴代作がアナログ再発リマスター盤で現在続々とリリースされています。その名作の中でも、2005年に発表された通算10枚目のアルバム『The Emancipation Of Mimi』が、感受性豊かな高校生時代にリアルタイムでヘビロテしていたこともあって、不動のマイ・ベスト・レコード。究極のラブソングとして名高い“We Belong Together”や、カニエ・ウェストのサンプリング・センスが炸裂する“Stay The Night”、ザ・ネプチューンズとスヌープ・ドックの抜群な相性が光る“Say Somethin’”など、15年経った今改めて聴いて、彼女の圧倒的な歌唱力と、その魅力を最大限に引き出す敏腕プロデューサー達のビートに完全にノックアウトされてしまいました。このように、リリース当時の思い出を楽曲とともに回想できるのも、再発の醍醐味ではないかと思い紹介させていただきました。2021年もどんなレコードがリリースされるのか楽しみですね!

 

小嶋千夏(TOWER VINYL)の1枚

DAMAGED BUG 『Bug On Yonkers』 Castle Face(2020)

ちょっと目を離すとすぐに新作を出しちゃうジー・オウ・シーズ(Thee Oh Sees)のジョン・ドワイアー(John Dwyer)。2020 年もオウシーズ(Osees)やベント・アルカナ(Bent Arcana)名義で放電するように作品を連発しましたが、その中からダメージド・バグの名でリリースしたこちらをセレクト! 60年代後期から活躍するUSカルト・サイケの生ける伝説、マイケル・ヨンカーズへの愛に溢れたトリビュート作です。いびつな自作ギターで不穏なノイズを撒き散らす本家のフリーキーさに共振しつつ、ファズはマシマシ、キレ味モリモリ、オウシーズらしい病的な陽気さもプラスされて、実にいい塩梅のぶっ壊れ感。全9曲という収録数もあとを引くちょうどよさで、レコードをひっくり返す手が何度も止まらなくなりました。