5年間待った甲斐があった、と心からそう思えるとても美しい5作目が完成した。ジェシー・ハリスと共作した表題曲や寺井尚子の参加も話題の“From Paris With Love”など格調高いエレガンスの薫る楽曲が並ぶなか、インティメイトな個性はいっそう際立っているが、歌唱におけるブルーのトーンが一段と深さを増した印象があり、甘美な余韻をもたらす。スティングとデュエットしたポップな“Little Something”も話題になるはず。

 


前作に引き続き、ジョニ・ミッチェルのパートナーでグラミー賞受賞経験もあるラリー・クラインがプロデュース。寺井尚子参加の“From Paris With Love”や、スティングとのデュエット曲“Little Something”等の話題の先行シングルや、“Moon River”等のジャズ・スタンダードを織り混ぜた隙のない内容。ジェシー・ハリスとの共作曲“Sunset in the Blue”でのじっくりと聴かせるヴォーカルは、彼女の波乱万丈の人生が歌声に刻み込まれているかのような説得力を持つ。ヴィンス・メンドーサによる煌びやかなアレンジにも注目。