田中ヤコブ『おさきにどうぞ』ネバヤンらのサポートも務める家主のフロントマンが独力で作り上げた王道ロック的世界

2020.11.05

グッド・メロディーの応酬で、どこまでも名曲ばかり。家主のフロントマンにして、never young beachやラッキーオールドサンのサポート・ギターも務める才能が2作目を完成。いくつかの楽曲で亀谷希恵、簗島瞬、福田喜充らが助力しているものの、基本的にほぼすべての演奏と歌唱を自身で行い、エンジニアの飯塚晃弘と共同で録音/ミックスも担当。多重コーラスを駆使したプロダクションはビートルズやELO、XTC、ザ・バンドなどロック・クラシック群の薫りが濃厚だが、ハードなギターがアクセントの“BIKE”“cheap holic”、フォークとソフト・ロックの狭間を往く“えかき”、カントリー調の“膿んだ星のうた”……とシンプルながら多彩なバンド・アンサンブルが素晴らしい。さりげなくも存在感が絶大な傑作だ。