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インタビュー

the circus『PARK』ダルいロックンロールやろうや!

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目指すのはメンバー全員がソングライターのバンド

――今回の『PARK』は楠さんが作った曲が9曲、藤岡さんが2曲、そして西川さんが1曲持ち寄った全12曲で構成されています。ソングライターが3人いるのが面白いですね。

「ファースト・アルバムの『flower piero』(2016年)は自分と藤岡の曲だけでしたが、結成当初から全員歌うし、全員曲を作れるというバンドを目指していました。今回の『PARK』もメンバー5人それぞれが作った曲を入れたかったのですが、結果的に曲が出来たのはこの3人でした」

――なるほど。みなさんがthe circusの音楽として曲を持ち寄るにあたって、なにか共通認識はあります?

「今後何かのテーマを設けた作品作りもしたいですが、これまでは全くなかったです。今回の『PARK』もコンセプト・アルバムではなくて、ライブでやっている曲がたまったから作った作品です」

――幅はありつつ、ちゃんとまとまりのある作品に感じました。

「なんとかまとまりを狙って『PARK』というタイトルを付けたので、嬉しいです。全員が共通して気ダルさや怠惰な部分を持っているのが表れているのですかね(笑)」

『PARK』のトレイラー映像

 

ギター・ソロが好きなんです

――ここから3人の作る曲がそれぞれどんな魅力や個性を持っているのか伺いたいです。まずはメインのソングライターと言えるであろう楠さんの曲について。

藤岡「どこから発想したんだ、というアレンジやコード進行にいつも驚きます。男気を感じるし、常にメロディーがいい。特に“ゆれる”のコードとメロディーとリズムの一体感がすごい」

『PARK』収録曲“ゆれる”
 

西川「“ゆれる”は私のヴォーカル用に初めて持ってきてくれた曲なんですけど、今まで歌ったことがなかった私が歌ってもよく聴こえる歌詞。サビは〈~みたい〉で揃っているのですが、その語感がキャッチーで楽しいです」

――なるほど。自分が本作の中で一番好きな曲は楠さん作の“Peace”なんですよね。

3人「おー! すげー!」

「“Peace”は自分が初めて作った曲です。ライブでもほぼ毎回演奏していて、特別に気に入っている曲なので今回も入れました。だから一番に選んでもらえたのはすごく嬉しい!」

――ファースト・アルバムにも入っていましたよね。他の曲とは何か違う手ごたえが“Peace”にはあるのでしょうか?

藤岡「もう体に染みついているんですよね。ライブでやるときも毎回BPMが違うし、セッションみたいに演奏できるので飽きも来ない」

「コード進行がずっと循環していて、自由度が高いので色んなアレンジができるから楽しい」

『PARK』収録曲“Peace”
 

――楠さんの歌い方や、どこを歌っているのかわからなくなる歌詞も含めて、この曲が一番〈ダルい〉と思ったんです。

西川「確かに。私たちも〈今どこ歌ってるの?〉とわからなくなる時があります(笑)」

――あと楠さんの作る楽曲は、ギター・ソロの入れどころがかっこいい。

「おー! 僕は本当にギター・ソロが好きで、そこを評価してくれるのはめっちゃ嬉しいです。曲を作る上で最も気にしている部分の一つかもしれません」

――ギター・ソロを設けないことが今はトレンドだったりしますよね。楠さんはなぜそこにこだわっているのでしょうか?

「A・B・サビというクリシェ(な楽曲構造)が好きなんですよね。四コマ漫画的なわかりやすい起承転結があるものって今の時代はダサいかもしれない。でもしっかり振って、ちゃんとオチがつくことに惹かれてしまいます。ギター・ソロもそのフリとオチの効果がすごく出る箇所」

――それゆえに1曲の時間も長いですよね。1曲目の“Riverside”から8分もある。

『PARK』収録曲“Riverside”
 

「クリシェを積み上げていくと、どうしても長くなってしまうんですよね。オチが来るまでのフリをできるだけ丁寧にして、我慢させたくなってしまう」

――楠さん自身はベーシストなのに、ギター・ソロにある種ポップソングの美学を感じている。ギター・ヒーローを上げるとすれば誰ですか?

「うわー難しい! やっぱりジョージ(・ハリスン)ですね。あとはロビー・ロバートソン、鈴木茂、カネコアヤノさんのバンドで弾いている林宏敏(ex踊ってばかりの国)さん。パッと思い浮かぶのはそんな方々です」

――全て歌にしっかり寄り添うタイプのギタリストですね。

「そうですね。かっこいいギターソロもしっかり弾けるし、オブリガードで歌に寄り添うこともちゃっかりできる人が好きです」

――特に“春風”で入るツインのギター・ソロには感動しちゃいました。

「あれは発明じゃないですか(笑)? 藤岡にとにかくいいギターソロを弾いてくれというオーダーを出して、考えてもらったものが2本重ねたものでした。“春風”の象徴的な部分だと思います」

藤岡「これは2本とも自分が弾いてるんです。何パターンか案を出したんですが、楠から〈もっとこいよ〉と何度も圧が来て、どうやっても足りない気がしたので、〈もう2倍にしてやれ!〉と考えたソロです(笑)」

『PARK』収録曲“春風”
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