〈30周年〉という立派な看板を掲げているものの、中を覗けば相変わらず飄々とした風情で天真爛漫に音と戯れる3人が見えてきた新作。いなたくもありながらやけに小粋なアフロ風味の“速報音楽”など全編でミニマルかつオーガニックなグルーヴを追求する彼らだが、このバンドの特性と言っていい可塑性の高さを顕す結果となっており、ますます得体の知れなさも際立っていて至極愉快。ワンパクさと逞しさを兼ね備えた妙味な一枚。