シンプルなタイトルが冠された6枚目のフル・アルバムは、コンセプトがないからこそバンドの本質が再確認できる好盤。ミニマリズムと平熱の温度感が揺るぎない世界観を規定しつつも、ファズ・ギターやブレイクビーツといった記名性の強いパーツが曲ごとの輪郭を際立たせ、聴き手を飽きさせない。生ピアノやフィルター使いが印象的なトラックに乗せて日常の尊さが歌われる、STUTSを迎えた“Basic”は贅沢なボーナス・トラックだ。