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タケトモアツキ、miida、婦人倶楽部、ano……Mikiki編集部員が今週オススメの邦楽曲

【Mikikiの歌謡日!】第78回

タケトモアツキ、miida、婦人倶楽部、ano……Mikiki編集部員が今週オススメの邦楽曲

Mikiki編集部員とTOWER DOORS担当・小峯崇嗣が最近トキめいた邦楽曲をレコメンドする毎週火曜日更新の週刊連載〈Mikikiの歌謡日!〉。今回は第78回です。紹介した楽曲はSpotifyのプレイリストにもまとめているので、併せてお楽しみください。 *Mikiki編集部

★〈Mikikiの歌謡日!〉記事一覧

Spotifyプレイリスト

 


【鈴木英之介】

タケトモアツキ “愛なんて”

一聴してノックアウトされ、それ以降何度も聴いてしまった。作詞・作曲・編曲・プロデュースまで独力で手掛ける新鋭の宅録アーティストが先日9月2日に発表した一曲だ。ジェイムズ・ブレイクやボン・イヴェール辺りを聴き込み消化してきたであろうことを感じさせる、余白の取り方の巧みなサウンド・テクスチャ―が、王道歌謡ポップの旨味たっぷりのメロディーラインを上品に引き立てている。そして、人と人との関係のままならなさを歌うハイトーンでか細い声の、なんと切ないことか! 2020年9月23日(水)にデビュー・アルバム『無口な人』をリリースするとのことなので、こちらもぜひチェックしたい。

 

ミツメ “トニック・ラブ”

先日の配信ライブでのパフォーマンスが素晴らしかったので、発表直後に紹介しそびれていたこの曲を。いつもながら平熱な川辺素のヴォーカルで紡がれるのはミツメらしい伸びやかで爽やかなメロディーなのだが、一方でバックトラックはいつもと一味違い、ちょっといかがわしく遊び心に満ちている。そしてガムランやエキゾチカのエッセンスを感じさせる、鉄琴のような音の反復が涼やかで心地よい。ちなみにライブでは曲の後半に少しシューゲイザーっぽくなるのだが、それがまた〈いい感じ〉なので、そちらもぜひ。

 

John Natsuki “FLAME”

“トニック・ラブ”から、図らずもガムラン・フレーヴァーの漂う曲が続いてしまった。バンドTempalayのドラマーの、ソロ名義での一曲。もっともこちらはエレクトロニック・ミュージック側からのアプローチであるため、ミツメのサウンドとは趣が異なる。しかしこうして異なる角度からガムランを取り入れた曲を聴くと、その音楽的柔軟さと強靭さに改めて気付かされる。現代音楽にも、ロックにも、エレクトロニック・ミュージックにも難なく浸透し、それぞれのイディオムを損なわぬままみずからの個性を主張する。そのさまを見ていると(聴いていると)、人として何か見習うべき点がある気がしてくる……。

 

【小峯崇嗣】

SAI “青い春/SISTERHOOD”

Ms.Machineのヴォーカリスト/リリシスト、SAIの新作EP『瑞典春氷』より“青い春”と“SISTERHOOD”の2曲を紹介。ジャジーでざらついた質感のダークなトラックと、ダウナーなフロウに率直な想いを込めた儚くも淡いリリックに心奪われます。SAIにはメール・インタビュー〈6つの質問〉を行っていますので、気になった方は併せてぜひチェックしてみてください。

 

YUNOWA “騒ぎ”

京都を拠点とする3ピース・ロック・バンド、YUNOWAが新曲“騒ぎ”を先日リリース。3つの異なる曲展開に心奪われる一曲です。3ピースの限界を超えた次世代のポスト・ロック的サウンドに驚きを隠せません。特にラストの〈騒ぎになって さよなら〉という歌メロのエモーショナルな展開がたまらないです。

 

虎太朗 “夏茜"

現在TOWER DOORSが〈POWER PUSH!!!!〉中の福岡拠点に活動するコレクティヴ・BOAT所属の18歳のミュージシャン、虎太朗が新曲“夏茜”をリリース。流麗で清らかなピアノ・サウンドと、切なく叙情的に歌いあげる夏の終わりの茜空を想起させるアンセミックな楽曲です。

BOATについて取り上げた特集記事も公開中ですので、ぜひチェックしてみてください! 

 

Takara Araki “Deeper”

神奈川を拠点に活動するSSW、Takara Arakiが新作EP『Deeper』をTanukineiri Recordsからリリース。奥深いサウンドスケープとメランコリックな曲調のイントロから、中盤からストリングスも入れた壮大な楽曲に仕上がっています。毎回毎回楽曲の出来上がりに驚嘆してしまいます。

 

gato “dada”

5人組のエレクトロ・バンド、gatoが待望のファースト・アルバム『BAECUL』を10月14日(水)にリリースすることを発表。そのアルバムから新曲“dada”のMVを公開しています。今までの楽曲の中でも異色を放つようなダークなダブ・ステップ風のサウンドが目立つ一曲です。

 

Taichi Ro “キスくらい”

沖縄出身で現在オーストラリアのシドニーを拠点に活動しているTaichi Roが新曲”キスくらい”をリリース。西海岸テイストの爽やかなギターとローファイなビートが交差し、ロマンティックな美声に痺れる一曲に仕上がっています。

 

【田中亮太】

miida “utopia”

酒井さんも選びそうですが……。元ねごとのギタリストでメイン・コンポーザーでもあった沙田瑞紀さんによるユニット、miida。彼女が先月リリースしたファーストEP『utipia』より表題曲のMVが公開されました。打ち込みの柔らかな音色からマリンバ(?)の印象的なフレージングまで、やはりぬば抜けたセンスの持ち主だなと。今週の1曲。

 

DJ TASAKA “Soleado”

ラテン・ポップ × サマー・オブ・ラヴ。あらゆる面でさすが~な1曲。

 

清原果耶 “今とあの頃の僕ら”

1か月ほど前に公開された曲ですが、すみません、最近知ったもので……。女優としても活躍する清原果耶さんのファースト・シングル。清廉でたおやかな歌声とピアノやマーチング・ドラムによるクラシカルなアレンジの相性が抜群。チェンバー・ポップやインディー・クラシックのリスナーにも届け。

 

THE TOKYO “恋(エレジー)”

和製フォークや歌謡曲のエッセンスを感じさせるロックンロール・トリオ、THE TOKYO! こちら(恋と書いてエレジーと読むらしいです、〈こい〉とは読まない!)は、9月9日(水)リリースのファースト・アルバム『J.U.M.P.』からのリード曲です。哀愁を耳に残すメロディーセンスとリズムの多彩さを筆頭に音楽的なIQの高さを感じさせるサウンド。気が付いたらCKB、あるいはサザンばりに売れてたなんてことあるかもよ~。

 

【酒井優考】

婦人倶楽部 “そいえば台湾”

新潟県佐渡島にお住まいのご婦人4人組……だったのが新婦人Eさんが加入して5人組になってビックリ……による3年ぶり新曲。ご婦人たち、デビュー時に台湾に行ってたけど、その頃のことを思い出しているんでしょうね。派手とか大胆ではないけどサビでちょっとした転調を入れてくるあたり、さすがいつもオシャレなM. Lemonこと佐藤望(カメラ=万年筆)氏の業。台湾行きたいわん。

 

H Mountains “鉄人” 

芯があるのにフワフワしてるような不思議な音だな~。メンバーの料理とモンゴルの映像というMVも不思議。

 

Bagus! “あなた”

以前紹介したラヴァーズロックバンドの宅録企画第4弾。女性ヴォーカル辻敦子さんがめっちゃ〈あなた〉を求めてくる。すごい。

 

【天野龍太郎】

ano “デリート”

元ゆるめるモ!のあのちゃんが、〈ano〉としてソロで音楽活動を開始。そのデビュー・シングル“デリート”、めちゃくちゃかっこいい曲だなって思ったら、なんとあのイノタクさん(TAKU INOUE)が作曲していました。さすがです。あのちゃんのヴォーカリストとしての魅力も最高。自宅で撮影されたミュージック・ビデオもいい。

 

あっこゴリラ × なかむらみなみ × 玉名ラーメン “お家でダラダラ🏠”

DAOKOが「私が好きなフィメールラッパーの御三方と『お家でダラダラ🏠』をテーマにマイクリレーしました🎤」という新曲を突如Twitterで発表。大井一彌のリラクシンなビートと、〈お家でダラダラ〉することの持つ意味をそれぞれの視点から綴ったリリック。いま聴きたい最高のラップ・ナンバーです。玉名ラーメンさんが参加していることにびっくり。

 

玉名ラーメン “Gate”

その玉名ラーメンさんが、なんとビクターのCONNECTUNEからデビュー。すごい。この“Gate”を収録した、10月28日(水)にリリースされる新作『future』はタワーレコード限定販売で、渋谷店などで先行試聴を行っているようです。それにしてもCONNECTUNE、攻めていますね!

 

Nenashi feat. J.LAMOTTA すずめ “Gonna Be Good”

origami PRODUCTIONSの謎めいたシンガー・ソングライター、NenashiがなんとあのJ・ラモッタ・すずめさんとコラボレーション! ここに届けられた新曲は、その名も“Gonna Be Good”。心強い。サウンドは、ポップでフューチャリスティックなR&B。これはもう、マジで素晴らしいです。

 

ROTH BART BARON “NEVER FORGET”

中原鉄也さんの脱退を経てもなお、ますます自由に、ますます挑戦を続けていくロット。未来は僕らの手の中に。

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