私たちの日常の風景をすっかり変えてしまった、コロナ禍。それはまた、私たちの音楽の聴き方にも少なからず影響を及ぼしたと思います。以前好きだった音楽を受け付けなくなったり、あるいはそれまでスルーしていたような音楽に突如として心を奪われたり……。

そこでMikikiでは、ミュージシャンやレーベル関係者、レコード・ショップ関係者、ライブハウス関係者など音楽に関わって仕事をする人々に〈コロナ禍以降、愛聴している1曲〉を訊ねる新連載をスタート。その回答は一人ひとりのいまの心情を映し出すと同時に、災いに見舞われた人々に対して音楽がどのような意味を持つのか、そのヒントにもなるのではないでしょうか。 *Mikiki編集部

【アーティストと音楽関係者が選ぶ〈コロナ時代の1曲〉】記事一覧はこちら


 

H ZETT M(エイチ・ゼットエム)

ピアニスト/エンターテイナー/音楽家。超絶技巧、そして〈無重力奏法〉と形容される超人的パフォーマンスで、実験音楽と高度な芸術性を融合。この時代だからこそ生身の人間の可能性を追求するというテーマのもと、グランドピアノと彼の体だけで録音したアルバム『未来の音楽』『魔法使いのおんがく』を2012年と2013年に発表、2017年には同シリーズの最新作『共鳴する音楽』をリリースした。 これらを機に始まったピアノ1台だけでの〈独演会スタイルライブ〉には、時にシニカルでユーモア溢れる彼の人間性が現れ、観客を釘付けにする。並行して活動するトリオ編成によるバンド〈H ZETTRIO〉とは一味違ったその世界観は、各方面から好評を得ている。

 

コロナ禍以降、特に愛聴している1曲は何ですか?

Madlib “One For Quartabê / Right Now”(2021年作『Sound Ancestors』収録)

コロナ禍においてのこの1曲を選ぶ、といっても音楽の聞き方はそれ以前とあまり変わってなく難しかったので、多々ある中から割と最近よく聞いていたものを1曲選んでみました。とにかくビートがグッとくるもの、ジャズも経由してるビートメイカーなどが当方大好物でして、強引にコロナ禍に絡めて考えてみますと、世界のグルーヴが大きく変化する今、どのように軸となる自分のリズム感を獲得していくかと考えた時に、打点の細分化を強化する事は現実に有効的に機能する気がしますし、尚且つ心地よい、その方向はピンとくるものがあります。

 


LIVE INFORMATION

ピアノ独演会 2021 四月 高知の陣

日程:2021年4月24日(土)
時間:OPEN 14:00 / START 15:00
会場 : 高知県立県民文化ホール オレンジホール
チケット前売:5,000円(税込み)
※3歳以下入場不可/4歳から入場券が必要/全席指定

★詳細はこちら

 

ピアノ独演会2021 九月 そぴあの陣

日程:2021年9月11日(土)
時間:OPEN 15:00 / START 16:00
会場 : 福岡 そぴあしんぐう 大ホール
チケット前売:4,000円(税込)
※3歳以下入場不可/4歳から入場券が必要/全席指定

★詳細はこちら