私たちの日常の風景をすっかり変えてしまった、コロナ禍。それはまた、私たちの音楽の聴き方にも少なからず影響を及ぼしたと思います。以前好きだった音楽を受け付けなくなったり、あるいはそれまでスルーしていたような音楽に突如として心を奪われたり……。
そこでMikikiでは、ミュージシャンやレーベル関係者、レコード・ショップ関係者、ライブハウス関係者など音楽に関わって仕事をする人々に〈コロナ禍以降、愛聴している1曲〉を訊ねる新連載をスタート。その回答は一人ひとりのいまの心情を映し出すと同時に、災いに見舞われた人々に対して音楽がどのような意味を持つのか、そのヒントにもなるのではないでしょうか。 *Mikiki編集部
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直枝政広
1959年生まれ。83年カーネーション結成。84年に直枝政太郎名義でオムニバス『陽気な若き博物館員たち』(水族館 /徳間ジャパン)でソロ・デビュー。同年、カーネーションがシングル“夜の煙突”(ナゴムレコード)でデビュー。 以後、カーネーションは数度のメンバー・チェンジを経ながら数多くの傑作アルバムをリリース。カーネーションや鈴木惣一朗とのユニット〈Soggy Cheerios〉の活動と並行し、ソロ活動や執筆、プロデュース等、精力的に活動中。
コロナ禍以降、特に愛聴している1曲は何ですか?
The Kinks “Anytime”(70年作『Lola Versus Powerman And The Moneygoround, Part One』収録)
キンクスの未発表曲はあなどれない。珠玉のアウトテイクを集めた米編集盤『The Great Lost Kinks Album』(73年)なんてレコードが重宝された時代もあったが、2018年に『The Kinks Are The Village Green Preservation Society』50周年で発掘された“Time Song”などもこれが何故お蔵入り?と、思わずふて寝したくなる程の名曲だったり。そんなこんなで、一度ハマればずるずると何十年もこのバンドのことを考え続けることになる。
“Anytime”は『Lola Versus Powerman And The Moneygoround, Part One』(70年)の未発表曲(2014年が初出)。これも隅から隅までじつに良く出来た曲で、アルバム発売50周年を迎えた昨年10月にはその素材を元にMV「The Follower - Any Time 2020 (Featuring Anytime By The Kinks)」が公開。コロナ禍の誰もいないロンドンの街と孤独を見つめた曲の主人公の姿が交叉し、それがあまりに予言的で思わず胸を締め付けられた。
LIVE INFORMATION
CARNATION × La.mama『CONNECT-20▷21』ライブ配信
2021年4月29日(木)東京・渋谷La.mama
視聴可能期間:2021年4月29日 18:00~5月6日 (木) 23:59まで
配信チケット:3,500円(+購入手数料385円)
チケット購入可能期間:2021年4月10日 10:00~2021年5月6日 22:00まで
ライブ詳細:http://www.carnation-web.com/news/2021/04/20210429-lamama.html
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