BiSHらを擁するWACKの新グループ、〈ANTi SOCiETY PUNKS〉ことASPが自主レーベルから早くもアルバム・デビュー。ポーティスヘッド風のジャケや露悪的な表題に反して中身は威勢のいいパンキッシュなロック・ナンバーが並び、メンバー自作を含む詞も奇を衒わずピュアでストレートな熱さを吐き出してくる。先輩グループと同じく作曲／プロデュースは松隈ケンタながら、ギター・リフ主導のプリミティヴな楽曲で押しまくるシンプルな作りは、劇的かつ重厚な意匠が主軸となった先達へのカウンターなのかもしれない。TMGE風の冒頭曲“拝啓ロックスター様”からグループのテーマのような“A Song of Punk”、BiSのオマージュ“レリゴ”まで佳曲が次々と駆け抜け、解像度の粗さを狙ったようなラフな音像も雰囲気を上げている。