コラム

パット・メセニー(Pat Metheny)が若手を代わる代わる迎える新プロジェクトSide-Eye、第一弾はマーカス・ギルモア参加のライブ作

パット・メセニー『Side-Eye NYC (V1. IV)』

Pat Metheny ©Jimmy Katz

Modern Recordingsからパット・メセニーの新プロジェクトがスタート!

 パット・メセニーの新プロジェクト、Side-Eye。これは自身が興味を持った才能溢れる若い世代のミュージシャンを代わる代わる迎えて展開する新たなプラットフォームなのだという。メセニーとオルガン/シンセ/ピアノのジェームズ・フランシーズの2人を核に、この〈代わる代わる〉は、どうやらドラマーを指しているようで、今作、V1-IVはマーカス・ギルモアが参加のライブ作品となる。今後、エリック・ハーランド、アンワー・マーシャル、ネイト・スミスという3人のドラマーが参加したライブが発表されるはず(Side-Eyeは、これまでに4バージョンあるそうです)。さらにニューオーリンズ出身の新鋭、ジョー・ダイソンの参加も決定とのことで、それぞれのドラマーのよる色・匂いの違い、実に興味深く楽しみですね。

PAT METHENY 『Side-Eye NYC (V1. IV)』 Modern Recordings(2021)

 (変則)オルガン・トリオの編成にあっても、そのサウンド、演奏のスケールはその範疇とは別の次元にあるようです。冒頭の14分に迫る長尺の新曲“イット・スターツ・ウェン・ウィー・ディサピア”を聴くと、圧倒的かつ独自の世界観にやられてしまう。その他、オリジナルや過去の人気曲の再構築で見えてくるまったく違った景色がまたジャンルレスで素晴らしいです。3人の個性、才能、アイデア、人間的・音楽的な趣向の交錯がプラス方向のみに作用・発揮されているようで、とても刺激的。〈なんでもあり〉のメセニーがここにきてさらに若々しくエネルギッシュです。マーカス・ギルモアは、ご存知、巨匠ロイ・ヘインズの孫で、メセニーは彼が12歳の頃からの知り合いだという。そのドラムの音色、アプローチがまた美しくアグレッシヴで、もともとの多彩なスタイルから、近年のザキール・フセイン(タブラ奏者)との共演などの多様な影響か、ますますメロディックに音楽的に。ジェームズ・フランシーズの超マルチぶりもあって、もうどこにでもいける感覚が心地よいです。メセニー本人によると10~12年周期で共感・共鳴するミュージシャンが現れているそうですが、このSide-Eyeはその波に乗る、メセニーの新たな冒険の始まりだと確信いたしました。

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