ジャズピアニストにしてメタラーの西山瞳さん。メタルからの影響を反映させた新作『Dot』をリリースしたばかりの西山さんによるメタル連載が、この〈西山瞳の鋼鉄のジャズ女〉です。第70回は当連載恒例、メタルがルーツのジャズプレイヤーへのインタビューです。馬場孝喜さんと則武諒さん、織原良次さん、鈴木直人さん、武藤祐志さん、江藤良人さんと続いてきた好評企画ですが、今回はTRI4THのベーシストである関谷友貴さんに西山さんが取材しました。 *Mikiki編集部
突然寒くなりましたね。メタラーの皆さん、この秋の来日過密スケジュールは、どうお過ごしでしたか? 私は自分のツアーもあったので、9月のエクストリーム来日以降ライブに行っておらず、SNSに上がってくるライブレポを眺めて過ごしておりました。ぐぬぬ。
さて、今月は、〈メタルを通ってプロになったジャズミュージシャンへのインタビュー〉7人目、〈踊れるジャズ〉をコンセプトとした、インストゥルメンタルジャズバンドTRI4THで活躍するベーシスト、関谷友貴さんにインタビューを敢行しました。
私と同じ大阪出身の関谷さんですが、何かのインタビューで〈メタルをやっていた〉という情報をキャッチ。なるほど、TRI4THのベースプレイから滲み出る〈速いの好きだろうな感〉はメタル出身だ!ということで、インタビューしてみると意外な人との繋がりや、面白いキャリアが聞けました。
まずは、TRI4THの疾走チューンをどうぞ。
ベースとバス釣りは同じ〈Bass〉
――ベースを始めたきっかけを教えて下さい。
「中学の吹奏楽部でバリトンサックスをやっていたんです。2年生で入部した時の楽器はテナーサックスだったんですけど、男の部員が少なかったから、自動的にバリトンに。背も低かったんですけどね。
そんな時、一番仲が良かった友達がギターを始めて、当時流行っていたLUNA SEAとかBOØWYのCDを貸してくれて、格好良いやんって思って聴いていたら、〈それじゃバンドやろうぜ〉ってことになって。バリトンサックスをやっていたから、低音繋がりでベースをやることに。
しかも僕、バス釣りがめっちゃ好きなんですよ。スペルが〈Bass〉って一緒だから、ベースをやってみよう、みたいな(笑)」
――とても中学生らしいエピソードですね(笑)。
「そうそう、まじで中学生(笑)。いいじゃん、俺にぴったり!みたいな感じで始めて。
それまで見た目も音もどれがベースかわからないような中学生が、ベースの方がぜったいモテると思って、のめりこんだんです。そうしたらベースやバンドの方が楽しくなって、吹奏楽部はフェードアウト」
――エレキベースを始める時、楽器はどう工面したんですか?
「誘ってくれた子がどうしてもバンドをやりたかったから、〈ベースのお金を半分出すから、一緒にバンドやって!〉って。今考えるとおかしいでしょ。いきなりエンドースメントから始まったんで、すでにプロとしてスタートですよ(笑)。その彼は、すでにギターをある程度弾けていたから、色々教えてもらいました」