沼澤尚

ネイト・マーセローは凄腕のギタリストであり、今最もホットなプロデューサーの一人でもある。フィリップ・フィリップス、ショーン・メンデス、リオン・ブリッジズ、リゾ、ウィークエンド等のメジャー・アーティストのプロダクションや作曲を次々と手掛け、ギタリストとしてはシーラ・Eのバンドからカルロス・ニーニョ&フレンズにまで参加し、驚くほど振れ幅のあるプレイを見せている。

そのネイトが、ソロ・デビュー作『Joy Techniques』をリリースする。テラス・マーティンをゲストに招き、現在の活動拠点であるLAで録音された本作では、ジャズやファンクから、R&B、ヒップホップ、フュージョン、プログレ、そしてアンビエントまで、さまざまな音楽がクロスしていく。多彩な顔を持つネイトとその音楽について、彼をNOTHING BUT THE FUNKのメンバーとして初めて日本に招いて共演し、以後も緊密な交流を続けているドラマーの沼澤尚さんに話を伺った。

2017年のNOTHING BUT THE FUNKの公演で、沼澤さんからネイトを紹介された。ちょうど、彼がジェイ・Zの『4:44』(2017年)の録音に参加した直後だった。新鋭のギタリストだと思っていた彼の口からは、フライング・ロータスやダディ・ケヴなど、LAの音楽シーンでよく知る人達の名前が次々と出てきて、ビート・ミュージックについての関心を熱心に語っていたことをよく覚えている。アメリカの事情にも詳しい沼澤さんの話には楽しい脱線もたくさんあり、ネイトと彼の世代(90年前後生まれ)の音楽への取り組みを通して見えてくる状況を伝える内容にもなったと思う。

NATE MERCEREAU 『Joy Techniques』 How So/BEAT(2020)

ネイト・マーセロー

ファンク系と思いきやビート・ミュージックにも詳しい、意外な素顔

――沼澤さんとネイトとのそもそもの出会いから教えてください。

「ネイトはサンディエゴの生まれで、大学でサンフランシスコに出てきたんです。それで演奏活動もしてたんだけど、ベイエリアにいて、ちょっと名前が売れてくると、大体シーラ・E周りか、サンタナ〜グレイトフル・デッド周りに呼ばれるんです。

シーラ周りは、Yoshi’sというライブが出来る日本料理店でよくやっていて、そこにネイトが呼ばれて行ったんだけど、その日はシーラ本人も出るということで、歴代のシーラのバンド・メンバーがみんな遊びに来てて、リーヴァイ(・シーサーJr.)もボビー(・Z)もステージに上がってセッションをするような状況になるなか、ネイトは周りのギタリストを全員負かしちゃったらしいんですよ(笑)。僕はその場にいたエディ・Mから後でその話を聞いたけど、本当にプレイがやばかったらしいです」

――エディ・Mからの話が、ネイトを知るきっかけだったんですね。

「そうです。それで、NOTHING BUT THE FUNKの公演で初共演になった。あの時(2017年)、LAに引っ越したばかりだったと思います」

ネイト・マーセローと沼澤尚が初共演した〈NOTHING BUT THE FUNK “Japan Tour 2016”〉のライブ映像

――沼澤さんからネイトを紹介していただいて、少し話したら、ビート・ミュージックやアンビエントも好きだと言っていて、でもステージではバリバリ、ギターを弾いてましたね(笑)。

「あれを見るとちょっと分からないですよね。最初はシーラ・E周りの、そういう(ファンク系の)人だと思っていたけど、日本に来て話したら、LAのビート・ミュージックやdublabや、そっち系の話をずっとするんで、驚いてね(笑)。

その時のネイトは〈今LAで出てきたノウアーというのが好き〉って言ってて、さらに話すと、プロダクションの仕事もたくさんやっていると分かった。既にフィリップ・フィリップスとの仕事もやってたし、〈帰ったらリオン・ブリッジズの仕事だよ〉って言うんで、驚いたんです(笑)」

――リオン・ブリッジズの『Good Thing』(2018年)はグラミーにノミネートされましたね。

「ネイトは、一緒にグラミーの会場に行ったそうです。〈お前すごいじゃん〉って言ったら、〈ラッキー!〉ってそんなノリ(笑)。今年は、リゾとショーン・メンデスとの仕事でノミネートされてたし。気が付いたら、超大物とやり出していた」

リオン・ブリッジズの2018年作『Good Thing』収録曲“Bad Bad News”。プロデューサーはネイト・マーセローとリッキー・リード

 

プリンスがやれることは全部やれる。驚くべき器用さ

――なんで、ネイトはあんなにプロデュース仕事が増えたんでしょうね?

「〈なんか、友達になっていくんだよね〉とか言っていたけど(笑)、やっぱりLAに来てからみたいです。ベイエリアにいると、そういうところとは絡まないので。でも、実際、ネイトがなぜそうやって繋がっていくのかは謎ですね」

――人付き合いが上手なんでしょうか?

「いや、全然(笑)。まだ31、32歳くらいだけど、なんで、あれこれできるのかと訊くと、たとえば、ジョンスコ(ジョン・スコフィールド)の曲をことごとく譜面に起こして弾いたりすることをやっていたと。だから、アメリカ人のギタリストとして典型的なことをしっかりやって来ている。やれと言われたら、ジャズ・ギタリストにもなれるんです。

話していると、自分が生まれるよりも前の音楽のことを盛んに言っていて、マイルス(・デイヴィス)とか、ウェザー(・リポート)を、今好きでしょうがないようです。あと、ギター・シンセを弾くのは、パット・メセニーが好きだからですね。メセニーを聴いて、ヤバいなと思った音が、ローランドのギター・シンセ(GR-300)だった。だから、あいつ、本体とギター、3台も持っているんですよ(笑)」

パット・メセニーの82年作『Offramp』収録曲“Are You Going With Me?”のライブ音源。GR-300を使用している

――カルロス・ニーニョが参加しているネイトのライブ音源(『There You Are [Live At The Virgil]』)もギター・シンセですね。最初、アンビエントかと思う展開なんですが、次第にプログレっぽくなって、ギターを弾きまくってます(笑)。

「カルロスの新譜(カルロス・ニーニョ&フレンズ『Actual Presence』)にも参加してましたよね。アンビエントも出来るし、アンディ・サマーズというか、あのギター・シンセで燃えるロック・ギタリストみたいにもなるんです。それをバイパスすると、いきなりジェイムズ・ブラウンにもなれるという。要するに、プリンスがやれるようなことは全部やれるんです。そのことに初めビックリしましたね。凄いなコイツは、と」

『Joy Techniques』収録曲“The Trees Are Starting To Have Personality”

――ネイトは、ジャズ・ギタリストに師事はしたのでしょうか?

「独学みたいですね。あとはライブをこなしてきた。今はプロダクションの方で人気が出てしまったけど、シーラやフィリップ・フィリップスのツアー・バンドもやっていたし、普通にギターを弾けるチャンスがたくさんあって、それをやってきたということでしょう。この間のライブ(2020年1月のNOTHING BUT THE FUNK公演)では、さらにギターを弾きまくりでしたからね」

――僕が観た2017年の公演ではまだ控えめに感じました(笑)。

「エディたちはパープル・レイン・ツアーをやってきて、その人達にお願いします、という感じで入ったばかりの時だったからでしょうね。でもネイトはすでに、他の仕事もいろいろやり始めていた時期だったんです。やっぱり上手いし、歌も歌える。気が付いたら、〈ジョン・レジェンドのレコーディングやったんだよね〉って言われ、こっちが驚く存在になっていた(笑)」

音楽家としてのルーツ、ギタリストっぽく弾きすぎない美学

『Joy Techniques』収録曲“Joy Techniques”

――沼澤さんは、今回のアルバムを聴いて、どんなことを思われましたか?

「彼が最初に来日したときに(2017年)、自分で作った音源を持って来てたんですよ。そのときに盛んに言っていたのが、テーム・インパラだった。凄い好きだって。ああいうサイケ方向にやっているポスト・ロックみたいなのをやりたいと。そういう音源を作ってましたね。あと、オルガン・ファンク・ジャズみたいなグループで音源も作ってました。何でも出来ちゃうんでしょうね。

でも、自分がやりたいことは、アンビエント系というか、クラブ・ミュージックと言ってもダンス系ではないエレクトロニック・ミュージックをギターでやるってことなんでしょう。ギタリストっぽくないじゃないですか。シンセのレイヤーみたいなものを作るので、自分でギターを弾いてもギタリスト的なところはあまり見せない。自粛期間以降もソロでやっているのは、アンビエントで、ギターをあまり弾かないでやってますね」

“Sliding Into Another Timeline”のライブ音源。国内盤にボーナス・トラックとして収録

――ネイトが自分のレーベルHow Soで作ったプレイリストがあるんですが、入っているのが、ヴァンゲリス、ジョン・ハッセル、ファラオ・サンダース、カルロス・ニーニョ、宮下富実夫などで、特に70年代プログレやフュージョンはルーツにあるのかなと思いました。

「フュージョンは特にそうでしょうね。でも、それは遡ってのことで、彼がリアルタイムで触れて影響を受けたのはジョンスコなんです」

ジョン・スコフィールドの2011年作『A Moment's Peace』収録曲“Lawn”のライブ映像

――そこでギター少年に終わらないのが、さらに興味深いです。

「LAに引っ越したのも大きいんじゃないですか。ベイエリアにいたらああならないです。今のLAの連中にも会わないだろうし」

 

ネット・メディアやイベントを通してLAから広がる輪

――そもそも、なんでベイエリアからLAに移ったんでしょう?

「仕事ですね、確実に。NetflixにしてもHBOにしても、今バジェットがデカいので、音楽レーベルの制作ではなくて、ネット・メディアやケーブル・テレビに絡む音楽の仕事の方が圧倒的に増えてますよね」

――もともと、LAはハリウッドがあって、映画音楽の仕事もあり、ミュージシャンも集まってきたという歴史がありますが、今はそこになっているんですね。

「HBOの(ドラマ)『チェルノブイリ』の音楽は、ムームのヒドゥル・グドナドッティルでしたよね。あと(HBOのドラマ)『ウォッチメン』もトレント・レズナーとアッティカス・ロスでしたよね。だから、もう映画音楽に行くバジェットがそっちに行っているんですね。ネイトもセイント・パンサー(St. Panther)という女の子との曲(“Infrastructure”)がHBOのTVシリーズ『インセキュア』の主題歌で使われてます。

あと、最近、LAでは〈Jazz Is Dead〉のイベントが面白いって言ってましたね。その辺とも絡んでいる。ネイトもそうだけど、自分が生まれる前の音楽に〈こんな格好いいのがあったんだ〉と発見して、楽しんでいる。それがLAのトレンドにもなっているみたいですね」

セイント・パンサーの2020年作『These Days』収録曲“Infrastructure”

――レジェンドと呼ばれるミュージシャンを呼んで、ライブをやったりレコーディングをしたりというのが、若いリスナーにアピールしているんですね。

「そういうシーンにも繋がりがあって、なおかつショーン・メンデスやウィークエンドとも仕事をしている。また来年、ネイトはグラミーにノミネートされるんじゃないですかね。あと、まだ出てないんですけど、テラス・マーティンに呼ばれて、(ハービー・)ハンコックの録音をやったみたいですよ。ドラムがマーク・ジュリアナだったそうだけど、〈あれが何の録音なのか、出るのか出ないのかも分からない〉って言ってました(笑)」

 

驚異的な技術をあえて見せないことの凄み

――それにしても、沼澤さんはネイトと本当に仲良いですよね。いろいろな情報を彼から得ていますし。

「そうですね。ネイトはいつも自分のバンドで今の音の感じでやっているけど、僕らはオールドスクールで、あんな風にはならないし、できない。でもだからこそ、刺激を受けてますね」

――でも、沼澤さんならドラムで今の感じはできるんじゃないですか?

「いやいや、ああいうのは無理です。この10年で、(ロバート・)グラスパーとか、クリス・デイヴ的なものが出てきたけど、結局あれは死ぬほど上手くないとダメなんです。驚異的な上手さだから成り立つんで、アメリカ人にしかできないです。80年代からアメリカでずっと見てましたけど、アメリカ人特有の、音楽だけじゃなくて、スケートボードにしても自転車にしても、そんなこと何でやるの?っていうのがありますよね。ドラマーだと、ドラム・セットの上にまず逆立ちして、宙返りしてとか、いるんです、そういう奴らが(笑)。でも、ドラムを叩くとすごい上手い。

クリス・デイヴは最初ミント・コンディションに入って、そこから名前が知られるようになった人だけど、DJ世代で、ターンテーブル2台で2枚掛けしていることをどうやったらドラム・セットでできるんだろう、って本気で考えていたバカです(笑)。いや、これは良い意味で、ですよ。よくそんなことを思ったなと。MPCで操作するようなことを、ドラム・セットでやろうとした。聴いてると、2枚掛けがズレてるようにやってるんだと分かる。でも、あれは上手くないとできないんです。練習して、あの人はああなった。だって、みんなコンプレックスの塊ですから。

本当はバスケットとかして遊びたいのに、遊びを犠牲にして、ずっとドラムの練習だけしてきた。だから、凄いんだけど、暗い人、多いじゃないですか(笑)。その点、ブライアン・ブレイドは違います。あの人はそう見えない。マーカス・ギルモアもそうですね。凄いけど、そこを見せない」

クリス・デイヴのセッション映像

――なるほど。かつてのフュージョンの時代が典型でしたけど、技術をこれでもかと見せる方向とそうでない方向、今も二つのベクトルはありますね。

「ネイトのギターもそうですね。もの凄く弾けるくせに、この一個のサウンドが格好いいから、それだけジャーンと鳴らす。だから、ギター・シンセを使っているのもそういう理由ですよね」

『Joy Techniques』収録曲“This Simulation Is A Good One”

ビートルズとニュー・ジャック・スウィングを並列に聴く、新世代ならではの感覚

――話を伺っていると、世代は離れていても、沼澤さんとネイトは同じようなバランス感覚があるのかなと感じますが。

「いや、自分は危なくならないように逃げている感じですから(笑)。要するに、自分の一番の弱点は、その時代を生きてきてしまったということです。知らなかったら、ネイトみたいにああいう風にも遡って行ける。たとえば、オーストラリアのメルボルンの連中、30/70やジギー・ツァイトガイスト、ハイエイタス・カイヨーテもそうだけど、凄い奴がいっぱいいるんです。今アメリカはフィラデルフィアが凄くて、特にルーツが出たあとのミュージシャンの質の高さというのがあるんですが、あそこのようにメルボルンは凄いんです。

ジギー・ツァイトガイストの自身のバンドでのセッション映像

彼らに話を訊くと、教育を受けた時に、マイルス、ハンコック、ウェイン・ショーターと、ジャズの歴史を習うわけですが、ハンコックのことから知ったヘッドハンターズが、今の20代あたりには最も引っ掛かるんだそうです。あと、ジョージ・デューク。要するに70年代のフュージョンというかクロスオーヴァー。ジャズの人達がR&Bの人達と作り始める、CTIレーベルがそうですけど、それが今の彼らの音楽との共通点になっているんだそうです。だから、一緒に演奏したときに、〈それ、ジョージ・デュークだよね? 何でそんなの知ってるの?〉と訊くと、学校でそれをみんな勉強してやっているからなんです。

でも、自分は中学の時にヘッドハンターズを聴いていたから、それが弱みになるんですよ。文化的な背景を知ってるわけです。その時に流行ったものとかと共に音楽を聴いていたわけで、それを知っているせいで、演奏すると懐メロっぽくなる。それを自分が一番よく分かっているんです。でも、同じことを〈この頃のジョージ・デューク、ヤバいんだよね〉って言って演奏しているネイトらには、〈いいな、そういう風に表現出来て〉と思いますよ。

彼らは、ジョージ・デュークやロイ・エアーズの曲をただ演奏しているだけなんです。だけど、〈何でそんなに格好良く聴こえるの?〉って思う。それを自分がやると、(ジェイムズ・)エムトゥーメがまだドラムやっていた頃の感じになっちゃってダサいんです(笑)。そうやって生きてきてしまった人は、ああいう感覚のフィルターを通した音は出せないですよ」

ジョージ・デュークの83年作『Guardian Of The Night』収録曲“Reach Out”

――でも、僕は沼澤さんがネイトやジギー・ツァイトガイストとやっているのを観て、フレッシュに感じましたけど。

「セコい感じで誤魔化してやってるなあ、って思ったでしょ(笑)。でも、ネイトにしても、メルボルンの連中にしても、彼らがどうしてそういう風になっているのかな、というのは話しているとわかる。

結局、彼らは自分たちが生まれる前の音楽を後追いで一気に聴くので、彼らの中では60年代のビートルズと80年代のニュー・ジャック・スウィングが、時代背景とかまったく関係ないものとして併存してるんです。

たとえば、彼らと〈グレイス・ジョーンズがヤバい〉という話をするんですけど、自分はその時代背景を知っているわけです。ニューウェイヴがあって、ブラック・ウフルとレゲエをやっていたあのスライ&ロビーが、レゲエをやらずに格好いいアルバムを作ったこととか、いろいろな背景がある。だから、彼らの〈格好いい〉という感覚は、自分にはすごく飛躍したものに思えるんですね。

〈じゃあ、これは知ってる?〉とドン・ブラックマンを聴かせると、〈知らない、教えて〉となる。それで〈ヤバい、このドラム誰?〉って訊いてくるから、〈デニス・チェンバースだよ〉って教える。でも、自分はデニスについて、〈Pファンク・オールスターズへの参加からジョンスコとの共演へ〉という流れを知っている。だから危ないんですよ、古い人は(笑)」

グレイス・ジョーンズの81年作『Nightclubbing』収録曲“Pull Up To The Bumper”

――知りすぎているというわけですね。

「だからネイトの演奏を聴いていると、自分も我が物顔でいられなくなる。元々、ネイトは〈自分が自分が〉というタイプじゃないので、演奏をしていても、初めはどんな感じになるのかわからない。そんななかで、たとえば〈ビル・ウィザーズのドラムのサンプルみたいに〉というイメージで僕が叩いてみると、わかってもらえたりする。だから、ネイトが普段聴いている音楽を知らないと、演奏の空気を作ることができないわけです。そこは、自分がちゃんとやらなきゃいけないことだと思っています」

――それは、やはり沼澤さんでないとできないことではないですか?

「いや、それはないですよ。というか、格好いいじゃないですか、ネイトたちのやってることは。だから、ライブは行ければ全部観に行くし、ライブに行ってチェックしないとダメなんです」

――沼澤さんは、ライブだけでなく、DJもよく観に行ってますよね。

「行かないと危なくないですか(笑)。いや、そのために行ってるというか、行かないで後から〈あのライブ、良かったよ〉と言われると悔しいし、頑張って遊びに行ってましたよ。頑張って行かないと行かなくなってしまう。でも、行くと絶対楽しいのが分かっている。

たとえば、ノレッジのDJを聴いて凄いと思ったのは、90sのブラコン(ブラック・コンテンポラリー)を平気でかけるんですよ。メアリー・J.ブライジとか。たとえば、アンダーソン・パークとのノー・ウォーリーズの曲をかけてからルーサー・ヴァンドロスをかけると、〈ネタ〉としてかけている感じはゼロで、ヒップホップに聴こえるんです。

でも〈これ、オイシイでしょ〉みたいな、いやらしい感じではないんです。今の音楽とブラコンとを交互にセレクションする。〈この音がヤバいんだよね〉と思ってその曲をかけている感じが伝わってくるから、ずっとヒップホップ色が強くて、それが面白い。自分が80年代に聴いたレコードを90年前後に生まれた人がかけているのを聴くと、一種の〈表現〉に思える。それが凄いなと思うんです」

ノレッジのDJプレイ映像

――それはネイトのスタンス、表現と共通する話ですね。

「そうなんです。ネイトはギター・プレイだけを聴いていると、もの凄いヴェテラン・ギタリストみたいです。でも、ネイトが100%コントロールして作った音楽には、彼の世代感覚が反映されているから完全にイマ風。さらに、そこにプログレみたいなものも入り込んでる。

ネイトはライブも今の人たちとやっているから、完全にイマ風ですね。それは、彼らの世代がフィルターを共有していて、それを通して演奏していることが大きい。今、4曲くらいネイトと作っているんですが、そのミックスをネイトにやってほしいと思ってます。〈オールドスクールにならない感じを、お前が出して〉って(笑)」

『Joy Techniques』収録曲“Of Course That's Happening”

 


LIVE INFORMATION

THE SOLAR BUDOKAN 2020〈DAY1〉
2020年9月26日(土) 16:00〜20:00
15:50よりNOTHING BUT THE FUNKがリモート出演
アーカイヴ期間:2020年10月2日(金)23:59まで
★THE SOLAR BUDOKAN公式サイト
http://solarbudokan.com
★配信ライブサイト:LIVE LOVERS 
https://livelovers.jp

blues.the-butcher-590213 with 西慎嗣 Broadcast from JIROKICHI
2020年9月30日(水)19:30よりJIROKICHI Youtubeチャンネルにて生配信
出演:永井ホトケ隆(ヴォーカル/ギター)、沼澤尚(ドラム)、中條卓(ベース)、KOTEZ(ヴォーカル/ハープ)、西慎嗣(ギター)

ナカコー+益子樹+沼澤尚+内田直之 〜POWERSPOT Vol.91〜
2020年10月1日(木)開場 18:30/開演 20:00 元住吉POWERS2
出演:ナカコー(ギター他)、益子樹(シンセサイザー他)、沼澤尚(ドラム)、内田直之(ミックス)
★ご予約はこちら(前売のご予約は前日の23時までとなります)
※24時間以内に返信メールが届かない場合はお電話にて確認お願いいたします

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