メンバーそれぞれが活発なソロ活動を展開している凛として時雨から、まったくヴェクトルの異なる2枚の作品が登場。TKのセカンド・アルバム『Fantastic Magic』は、前作同様に日向秀和とBOBOという鉄壁のリズム隊を率いて、ピアノやヴァイオリンも交えたクラシカルでドラマティックな作風をさらに進めつつ、ゲスト・ヴォーカルにCharaを迎えて、アコースティックなサウンドを聴かせるなどの新機軸も披露。また、表現者の孤独を告白するような、いつになくパーソナルな手触りの歌詞も印象的だ。
一方、ピエール中野の初ソロ作『Chaotic Vibes Orchestra』は彼の自由すぎる活動を網羅した、文字通り〈カオティック〉な内容。総勢20名のドラマーが参加したドラム・オーケストラに、超絶インプロ・ユニットによるハードコア、さらに滝善充、ミト、大森靖子という豪華メンツを迎えてのPerfume“チョコレイト・ディスコ”のカヴァーなど、あらゆる方向に振り切った全5曲を収録している。