奇妙礼太郎が2021年11月、ビルボードライブ横浜・大阪・東京を回るツアーを開催する。

奇妙礼太郎は76年、東大阪生まれのミュージシャン、シンガーソングライター。98年に音楽活動を始め、2005年にバンド・アニメーションズのファーストアルバム『THE ANIMATIONS』を曽我部恵一主宰のROSE RECORDSからリリースした(同作は2014年にリマスターされ、CDLPでリイシューされた)。

アニメーションズの2013年のライブアルバム『ANIMATIONS LIVE!』収録曲“恋のダンシングシューズ”

そして、2008年に奇妙礼太郎トラベルスイング楽団を結成。2009年にSNEEKER BLUES RECORDSからファーストアルバム『KING OF MUSIC』をリリースし、以降『機嫌なおしておくれよ Yogurt & Koyas Remix』(2011年)、Grand Galleryから『GOLDEN TIME』(2011年)と『LIVE GOLDEN TIME』(2012年)、Pヴァインから『桜富士山』(2012年)、『Live!』『仁義なき恋愛』(共に2013年)、『東京ブギウギ』(2014年)、『LAST TOUR ~THE GREAT ROCK’N ROLL SWING SHOW~』(2016年)と、スタジオ作やライブ盤、リミックス盤、カバーアルバムを多数制作した。バンドは2016年に惜しくも解散してしまったが、そのパワフルで幸福感に満ちたライブパフォーマンスは未だに多くのファンの心に刻まれている。

奇妙礼太郎トラベルスイング楽団の2015年のライブ動画

2013年には、ワンダフルボーイズのSundayカミデ、トラベルスイング楽団のテシマコージと共に天才バンドを結成した。天才バンドでは、2014年にファーストアルバム『アインとシュタイン』を、2015年にメジャーのunBORDEからセカンドアルバム『アリスとテレス』を、2017年にサードアルバム『ロミオとジュリエット』を発表している。その後、2018年、テシマの脱退に伴ってバンドは〈TENSAI BAND II〉へとアップグレードされた。

TENSAI BAND IIの2019年のライブ動画

ソロアーティストとしては、2016年、シングル“七色LADY~DADADA花吹雪20万年ガール”で満を持してunBORDEからメジャーデビューした。その後、2017年にファーストアルバム『YOU ARE SEXY』、2018年にセカンドアルバム『More Music』をリリース。そして今年、2021年には、ライブなどを通して親交を深めた早瀬直久(べべチオ)をプロデューサーに迎え、3年ぶりの新作としてミニアルバム『ハミングバード』を発表した。同作からは、7インチシングル『humming bird/アスファルト』がカットされている。また、10月8日にはアコースティックカバーアルバム『song book #1』を配信リリースしたばかりだ。

奇妙礼太郎 『ハミングバード』 ビクター(2021)

奇妙礼太郎の2021年作『ハミングバード』収録曲“humming bird”

奇妙礼太郎といえば、CMソングの歌唱でその歌声がお茶の間で親しまれている。特に、スズキ〈ラパン ショコラ〉のCMソングとして使われた“オー・シャンゼリゼ”や、サントリーのCMに起用された松田聖子の楽曲のカバーの数々は、よく知られているだろう。スタンダードナンバーや広く知られるポップソングのカバーで確かな才能を発揮していることこそ、奇妙礼太郎の歌い手としての力強さ、彼の歌心の深さを伝えている。

奇妙礼太郎トラベルスイング楽団の2014年作『東京ブギウギ』収録曲“オー・シャンゼリゼ”