Page 2 / 2 1ページ目から読む

一方で、主人公リンクが暮らすスカイロフトや、冒険の最中で巡るさまざまな島々では、〈ゼルダの世界〉特有の民族音楽っぽさや、リゾート音楽っぽさを味わうことができる。例えば、スカイロフトのショッピングモールで流れるBGM“ショップモール”は、入る店によって曲のアレンジや使用楽器、テンポが変わるのが面白い。パンプキン島という島のバーではリンクがハープ演奏のバイトをすることになるが、その音楽(“パナン歌います”)がいつもバーで流れている音楽(“パンプキンバー”)のアレンジだったりするところには、音楽的にも芸が細かいなと感じる。こういった音楽たちを改めて聴いて癒されるのもまた一興だろう。

歌とハープで言えば、作中の重要キャラクターであるファイがリンクのハープに合わせて歌うシーンが何度か出てくるが、いつも不思議な言葉で喋るファイが、美しい音楽に乗せて不思議な歌声で歌うのには何度聴いても感動する。こういった音楽を何度も楽しめるのもサントラCDの良さだろう。

他にも、世界各地の龍の神から集めて合わせると〈あの曲〉になるという鳥肌ものの演出が素晴らしかった“勇者の詩”や、本作のメインテーマである“女神の詩”を逆再生すると〈あの曲〉になるなど、音楽面でも遊び心を忘れていない「スカイウォードソード」。本作にはそんな「スカイウォードソード」の楽曲、全187曲が余すところなくCD5枚組で収録されている。なお、本作の初回限定生産盤は、“女神の詩”が演奏されるオリジナルオルゴールが同梱された豪華BOX仕様。「ゼルダ」ファンにはぜひこちらの購入をオススメしたいところ。大空と大地の冒険を、サウンド面から再び味わってみてはいかがだろう。

さて、「ゼルダの伝説」シリーズは、最新作「ブレス オブ ザ ワイルド」の続編が2022年に発売されることが決まっている。予告映像では大空から飛び降りるシーンがあり、空を自在に駆け巡る「スカイウォードソード」との関連を気にするファンの声もあったが……? 「ゼルダの伝説」シリーズの盛り上がりはまだまだ続きそうである。

© Nintendo