柔らかな電子音と穏やかな海面を思わせる光を放つギター、そして甘美なヴォーカル……約3年ぶりの新アルバムは、冒頭を飾る“Shine”のユーフォリックな感覚がひたすらに引き伸ばされ、最後まで持続し続ける作品だ。前作『There』や2019年のEP『Wash Away』で提示したR&Bへのアプローチが本作の多くの楽曲でも踏襲されているのだが、そうしたスタイルやモードよりも、心地良い音の手触りの追求にこそ今回の彼らは執心しているように感じられる。バンド的なアンサンブルを押し出した楽曲や、アップリフティングなナンバーにおいてもその一貫した優美なタッチは変わらないし、精緻に磨き上げられた音像も丁寧なソングライティングも、そのタッチに奉仕している。3作目で到達したこの洗練と成熟!