話題が話題を呼ぶヒット・チューンの連発によって現行シーン最前線のポップ・アイコンとなったドージャ・キャット。その軌跡と成功の秘訣に迫る!
早くもトップスターに
昨年リリースした待望のサード・アルバム『Planet Her』が全米チャート初登場2位、SZAが参加したリード・シングル“Kiss Me More”が全米3位まで上昇する大ヒットとなったドージャ・キャット。今年開催の第64回グラミー賞では〈年間最優秀レコード〉〈年間最優秀楽曲〉〈年間最優秀アルバム〉の主要3部門を含む計8部門にノミネートされたことも話題となっているが(H.E.R.と並んで女性アーティストでは最多ノミネート!)、セカンド・アルバム『Hot Pink』(2019年)収録の“Say So”がヴァイラル・ヒットを記録したことにより、昨年の第63回グラミー賞で〈最優秀新人賞〉など3部門にノミネートされていたことを思えば、目覚ましいスピードでトップスターの仲間入りを果たしたと言えるだろう。
ドージャ・キャットは95年生まれのラッパー/シンガー/ソングライター。LA出身LA育ちの彼女は、幼少期から音楽に触れてニッキー・ミナージュやドレイクといったヒップホップやR&Bに親しみ、ティーンの頃には自身で楽曲制作を始めている。それらをSoundCloud上で発表していくなか、2012年に公開した“So High”が話題となったのをきっかけに、ヒットメイカーのドクター・ルーク率いる大手RCA傘下のキモサベと契約。2014年には同曲も含むデビューEP『Purrr!』を発表し、先鋭なメディアで高い評価を獲得すると2015~6年頃には同じLAをベースとするオッド・フューチャーのメンバーであったマイク・Gや、“U Guessed It”のヒットで注目を集めていたアトランタのOG・マコらの楽曲へ参加するなど著名なラッパーとのコラボも経験し、コアなヒップホップ系メディアで取り上げられる機会も増えていった。