ニューオーリンズを拠点とする褐色のシンガー・ソングライター、22歳。わずかシングル1枚でデヴィッド・レターマンのTVショウに出演して御大を〈オ~マ~イガ~ッ〉と唸らせ、ジャック・ホワイトのオープニング・アクトにも起用された話題の新人だ。このファースト・アルバムにはキーボードとベースも入っているが、もともとはドラマーと2人で活動していたという通り、基本はシンプルで直線的なギター・カッティング+ハジケるドラム。演奏にはパンクな勢いが溢れる一方、歌声はすすけ気味で、どこかくぐもり、やるせなさも放つ。17歳でロバート・ジョンソンの音楽に出会い、衝撃を受けたことが影響を与えているのか。録音物としての作り込みより、初期衝動が勝るところも魅力になるのだ。
BENJAMIN BOOKER 『Benjamin Booker』
Rough Trade/HOSTESS