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〈アブストラクト・ポストパンク〉を掲げるPot-pourriが新作『Diary』をリリース ROVO益子樹がマスタリング、For Tracy Hyde夏botが推薦

〈アブストラクト・ポストパンク〉を掲げるPot-pourriが新作『Diary』をリリース ROVO益子樹がマスタリング、For Tracy Hyde夏botが推薦

Pot-pourriがニューアルバム『Diary』を2022年5月8日(日)にリリースする。

みずからの音楽を〈アブストラクト・ポストパンク〉と称し、通常のロックバンドとは異なる編成によるアンサンブルでメロディアスながらもカッティングエッジなオリジナルサウンドを追求してきたPot-pourri(ポプリ)。彼らが、2019年のファーストアルバム『Classic』以来となる新作にしてセカンドアルバム『Diary』をついにリリースする。

『Diary』は、6曲入りながらもフルアルバムのボリュームの作品。全曲の作詞・作曲を手がけるフロントマンのSawawoが個人的にも壮絶で大きな変化を経験した2020~2021年に制作した作品群を収めており、〈変化に慣れる前に、いまあることを忘れたくない〉という思いで変化の渦中で制作に取り組み、なおかつ聴きかえした際にノスタルジーにならないような作品にしようと試みたとのこと。そういった理由からも、〈記録する〉〈録音する〉ことへのこだわりとして、宅録やフィールドレコーディングなどがあえて多用された。一方、内省的な側面が強かった前作に比べて、本作は歌詞もサウンドも広がりのあるものになっているそうだ。そして、録音環境は多岐にわたっているが、個性的なソングライティングが際立っており、前作以上に多くの聴き手に届く、アルバムとして統一感のある作品になっているという。

また、サウンドメイキングの面では、Sawawoの音楽の嗜好の核にあるものを掘り下げたかったとのことで、トーク・トークの『Sprit Of Eden』(88年)、A.R. ケインの『69』(88年)、バーク・サイコシスといったイギリスのポストロックの黎明期や、キング・クリムゾンの71年作『Islands』などのプログレッシブロックが意識的/非意識的に反映されている。さらに、完成が近づくにつれて、レディオヘッドの『Amnesiac』(2001年)『A Moon Shaped Pool』(2016年)、スティーナ・ノルデンスタムの『Dynamite』(96年)や『People Are Strange』(98年)との類似性を感じさせるものになったという。

音の質感の面では、ティルザ(Tirzah)と彼女の共同制作者であるミカチューことミカ・リーヴィをはじめ、スローソン・マローン(Slauson Malone)、Wool & The Pantsといった多様なジャンルにおける現代のローファイ感覚を彼らの解釈で導入した。

『Diary』は、本作をリリースするレーベルのHEADZとの繋がりがあるdetune.や君島大空の作品に通じる、変則的な構成やファンタジックな世界を作り上げているという。また、メンバーが影響を受けたPeople In The Boxが日本のオルタナティブロックバンドとして確立したモダンで独自かつポップなスタイルに近い空気感があり、前作以上に唯一無二の音楽性に到達したとのこと。

『Diary』の全曲のミキシングは、メンバーとしてプログラミングも行うRYO NAGAI a.k.a. 液晶が担当。彼がリスペクトするナイン・インチ・ネイルズやノーツイスト、ラディアンのようなポストパンク、ダブ、エレクトロニカ/IDMの流れを汲んだ、轟音と静寂が同居するサウンドが作り上げられているという。そして、マスタリングはROVOの益子樹が担当し、Pot-pourriが理想とする立体感のあるサウンドに仕上げられている。

また、アートワークとデザインは、「バベルの設計士」で知られる〈建築漫画家〉の芦藻彬が前作から引き続き担当。立体物としてのCDの装丁を含めたビジュアルで、Pot-pourriの音楽を表現した。

さらに、For Tracy Hyde/エイプリルブルーの夏botこと管梓から本作の推薦コメントが届いている。夏botのコメントは次のとおり。

ネオアコ的モンド感を漂わせるギター。それを支えるモダンでファットなローエンド。耳をかき乱すグリッチ。さまざまな音楽の面影が去来し入り混じる様子には、Pot-pourriというバンド名そのままの奇妙で豊穣な美しさがある。

そして、アルバムのティーザーが発表され、収録曲“In Profile”の先行配信も行なわれている。“In Profile”の配信リンクはこちら

Pot-pourriのセカンドアルバム『Diary』。リリースが待ち遠しい一作だ。

 

*2022年5月7日追記
2022年5月7日の12:00に、『Diary』の収録曲“Comic”のリリックビデオが発表された。

また、『Diary』について、批評 × 旅行誌「LOCUST」の編集長で、2021年に上梓した初の単著「スピッツ論」が好評を博している批評家/ライターの伏見瞬と、ラッパー/プロデューサーの没 aka NGS(Dos Monos)から推薦コメントが届いた。コメントは次のとおり。

“Astra”冒頭の、EからAフラットに下がる右側の音と、DからEに上がる左側の音。二つのエレクトリック・ベースの重なりを聴くだけで、Pot-pourriが前作から遙か遠くまで進んだことを実感する。メジャーコードの固い足場へと安易に落ち着かない、不安定かつ穏やかな浮遊状態。ボサノヴァとサイケデリック・ロックの中間のような和音進行と共に、SAWAWOの声が違う現実を連れてくる。「流れ星落っこちた/願い事引っ掛けて落っこちた(Astra)」。「横顔か壺か、これは何?(In Profile)」。「朝の街はこんなもので/収集車が走り去っていく(Vertigo)」。日常のボタンを掛け違えた、いびつでふぞろいな風景。その心地よく不安な視界を、Pot-pourriのセカンドアルバム『Diary』はより高い解像度で導き出す。

Pot-pourriの専売特許と言っていい、アコースティックギターにプログラミングとエフェクトが絡みつく音触りは、ROVOの益子樹によるマスタリングによって奥深さを獲得した。SHIBASAKIの歪みを含むベースは、楽曲の中盤で低音をブーストさせ、淡泊な曲展開に適切なアクセントを加えている。TAROによるドラムは、慎み深い音量で、それでいて十二分に刺激的な音色で、浮遊と着陸を行き来するグルーヴの柱となる。そして、 RYO NAGAIの加えるプログラミングによって、時に宇宙が降り注ぎ、特に夢が裏返る。一つ一つの音が、自然に不自然を主張している。

轟音のノイズが訪れても音の存在感が塗りつぶされることはなく、どの音も立体的な感触を残している。このサウンドバランスが素晴らしい。Pot-pourriは常に他の誰とも異なる音像を作ることに腐心してきたが、今回はそれを高い水準で達成している。 

本作から多く聞こえてくるのは、海外の実験的な音響作家以上に、日本の音像作家による遺産だ。山本精一、コーネリアス、坂本慎太郎、ノーベンバーズ。あるいは青葉市子、原マスミ。しかしながら、『Diary』に「日本のアルバムだ」という印象は薄い。今名前を上げた作家達は、立つ場所における揺らぎや違和に音を与えてきた人々であり、彼らが鳴らしたのは、国体や身体を構成する強固な力とは無縁の音楽だった。Pot-pourriは、無縁の音楽家たちの系譜を辿り、『Diary』でその流れを更新した。“Papillon”でSAWAWOが歌う「幸か不幸かわたしたちはここにいる」の「ここ」とは、あらゆる地盤から切り離された無縁の場所を指す。その場所の懐かしい寂しさに戻っていくために、私はPot-pourriを繰り返し聴いている。 

伏見瞬

 

Pot-pourriの“Diary”を続けて3回聴いた。このアルバムに“Diary”とつけたくなる意味はすごくよくわかる。ほんとに「待ち遠しかった」んだなと思った。自分は一瞬思ったことを雑に記録してしまうタイプなので、(結果は全然重くなくて、むしろ軽やかだけど)時間にアグレッシブにヘヴィに向き合えるSAWAWO君が羨ましいです! リリースおめでとうございます 

没 aka NGS

さらに、5月8日(日)に東京・吉祥寺のNEPOで開催される〈Pot-pourri 2ndフル・アルバム『Diary』発表記念ファースト・ワンマン・ギグ〉では、来場者特典としてスペシャル音源を収録したCD-Rがプレゼントされるとのこと。配布されるCD-Rには、『Diary』収録曲のSawawoによる弾き語りのアコースティックバージョンである“Astra (Acoustic Version)”“Diary (Acoustic Version)”が収録される。

 


RELEASE INFORMATION

Pot-pourri 『Diary』 UNKNOWNMIX/HEADZ(2022)

リリース日:2022年5月8日(日)
品番:UNKNOWNMIX 54/HEADZ 253

■CD
価格:2,090円(税込)

■デジタル
アルバム:1,200円(税込)
単曲:250円(税込)

TRACKLIST
1. Astra
2. Comic
3. In Profile
4. Vertigo
5. Papillon
6. Diary

SAWAWO:Vocals (1-6), Acoustic Guitars (1-6), Programming (1-4, 6)
RYO NAGAI:Programming (1-6), Electric Guitars (5)
SHIBASAKI:Bass (1-3, 5)
TARO:Drums (2, 3, 5)
HIROYUKI NISHIDA (Strip Joint):Drums (2)

All Songs Written by SAWAWO, Arranged by Pot-pourri
Mixed by RYO NAGAI
Mastered by TATSUKI MASUKO at Float
Recorded by RYOTA MURAHAMA at Studio Happiness (2, 3, 5), by noguchi taoru at ochiai soup (2, 3, 5), by SAWAWO at STUDIO NOAH Sangen-jaya (2, 5, 6), by SAWAWO (1-6), RYO NAGAI (5), SHIBASAKI (1-3, 5) at Home, by SAWAWO at Shakujii River (6)
Artwork & Design: AKIRA ASHIMO
Logo Design: MANABU KON

 

LIVE INFORMATION
Pot-pourri 2ndフル・アルバム『Diary』発表記念ファースト・ワンマン・ギグ

2022年5月8日(日)東京・吉祥寺 NEPO
開場/開演:12:00/12:45
前売り/当日/U-23:1,800円/2,000円/1,500円(いずれもドリンク代別) ※小学生以下無料
配信:1,000円 
ご予約:2022年4月9日10:00~
※来場者特典として、スペシャル音源を収録したCD-Rをプレゼントいたします。
“Astra (Acoustic Version)”“Diary (Acoustic Version)”の2曲を収録
https://nepo.co.jp/contacts/index/1701?tab=booking

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