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『Red Balloon』~『Watch The Sun』と並べて楽しみたい現行ニューオーリンズのホットな定番を駆け足でナヴィゲート!

VARIOUS ARTISTS 『Take Me To The River: New Orleans』 Petaluma(2022)

マーティン・ショア監督による「約束の地、メンフィス ~テイク・ミー・トゥー・ザ・リバー~」(2014年)に続くドキュメンタリー映画のサントラがちょうど到着。PJモートンがチーキー・ブラック×リバース・ブラス・バンドと登場するほか、マニー・フレッシュ × ビッグ・フリーダ × ギャラクティックなどの地元コラボが楽しい。ドクター・ジョンや5thワード・ウィービーといった故人の勇姿も。

 

TROMBONE SHORTY 『Lifted』 Blue Note/ユニバーサル(2022)

現行NOLAシーンを牽引するキーマンが、自身の歌や鍵盤も交えつつロッキッシュな骨太ファンクで燃え上がる最新作。PJモートン作品でもお馴染みのアルヴィン・フォードJrがドラムを叩き、常連のダン・オーストライカーやポール・ロバートソン(ソウル・レベルズ)ら重厚なホーン隊も強力だ。

 

JON BATISTE 『WE ARE』 Verve/ユニバーサル(2021)

グラミー云々はさておいても痛快な娯楽大作。PJとトロンボーン・ショーティ参加のバウンス“Boy Hood”、ホット8ブラス・バンドをバックにタンクが歌う“Adulthood”などNOLAマインドも全編に漲っている。これから聴く人はビッグ・フリーダらのリミックスを追加したデラックス版をどうぞ。

 

DUMPSTAPHUNK 『Where Do We Go From Here』 The Funk Garage/Mascot(2021)

アイヴァン&イアンのネヴィル従兄弟が率いるファンク・バンド。ここでもアルヴィン・フォードJrが大半のドラムを叩き、エリカ・フォールズがコーラスを務めるなど世代を超えて地元色はもちろん濃厚だ。トロンボーン・ショーティを交えた反トランプ曲の新版“Justice 2020”も熱い!

 

DAWN RICHARD 『Second Line』 Merge/BIG NOTHING(2021)

PJモートンとも親しく、彼の新作からの先行カット“Please Don’t Walk Away”のMVに出演していたドーン。この最新作ではNOLAルーツを未来的に表現したエレクトロ版セカンドラインをバウンシーに披露している。父親で元チョコレート・ミルクのフランクもインタールードでピアノを弾く。

 

THE SOUL REBELS 『Poetry In Motion』 Mack Avenue(2019)

形を変えつつ90年代から活躍するブラス・バンドの現時点での最新作。PJが歌う“Slide Back”を筆頭にタンクやトロンボーン・ショーティ、ビッグ・フリーダの出番もある贅沢な地元オールスター作で、DJジュビリーやミアXら伝説的な顔ぶれによるアンセミックな“Down For My City”が強力。

 

LAKOU MIZIK 『Haitianola』 Cumbancha(2019)

ハイチの大所帯バンドがクレオール文化を通じて繋がりの深いNOLAで録音したタイトル通りの一作。ジョン・クリアリーやシリル・ネヴィル、タンク・アンド・ザ・バンガス、トロンボーン・ショーティ、ソウル・レベルズ、アーケイド・ファイアも招いてポップな祝祭ミクスチャー音楽を聴かせる。

 

ERICA FALLS 『Let’s Get Down Tonight』 Louisiana Red Hot(2022)

アーマ・トーマスやギャラクティックらのバックで歌い、好内容だったアルバム『HomeGrown』(2017年)でも知られるNOLA産R&Bシンガー。こちらは7インチで届いた新曲で、ファンキーなトラックで実力を見せる。鍵盤のケンドリック・マーシャルらキャリアのある地元勢たちが援護。

 

MACEO PARKER 『Soul Food: Cooking With Maceo』 The Funk Garage/Mascot(2020)

言わずと知れた大御所サックス奏者がダンプスタファンクの面々らを従えてニューオーリンズで録音したカヴァー作。アレサやプリンスと並んでアラン・トゥーサンやミーターズ、ドクター・ジョンを取り上げた選曲からも同地へのオマージュの念が滲む。DJソウル・シスターの声出しもポイント。

 

LEO NOCENTELLI 『Another Side』 Light In The Attic(2021)

ミーターズのオリジナル・メンバーである名ギタリストの、70年代初頭に録られた未発表アルバムが発掘。バンド仲間やアラン・トゥーサンがバックを固め、シンガー・ソングライター然とした主役はフォーク~カントリー調の自作曲を弾き語りで聴かせる。エルトン・ジョンのカヴァーもいい。

 

MAZE FEATURING FRANKIE BEVERLY 『Live In New Orleans 』 Capitol/ユニバーサル(1981)

ニューオーリンズの〈Essence Music Festival〉で長らく大トリを務めたレジェンドの代表作。センガー・シアターで収録されたライヴ本編も、超定番アンセムとして愛される“Before I Let Go”などのスタジオ録音ももちろん聴きもの。このたび初めてオリジナルLPと同内容の2枚組で日本盤化!