メロウかつスウィートなネオ・ソウルを奏でさせたら右に出る者はなし! LAのマルチ・プレイヤー・トリオ、通算5枚目のアルバムも確かな演奏を武器に、聴き手を微睡んだ幻想的な世界へと導くメロディやハーモニー、音の揺らぎが余りに心地よく、また一段と高みに達した印象だ。そして注目すべきは初めて他のアーティストを招いた作品という点。レイラ・ハサウェイ、アレックス・アイズレー、タンク・アンド・ザ・バンガス、イル・カミーユ、ラプソディーなど多数の女性シンガーやラッパーを招き、これまでになかった力強さも秘めた、女性アーティストたちをエンパワーメントする一面も合わせもっている。

 


結成10年を迎えての5作目は、初めてゲストを多数迎えた極上のコラボ・アルバムに。浮き立つような音像と淡く滲むアンバーの歌声が織り成すムーンチャイルドらしさに、レイラ・ハサウェイがソウルのエッセンスを注入し、タンク&ザ・バンガスが賑々しくチャーミングなムードを加え、ラプソディの言葉がR&B好きを魅了し、アレックス・アイズレーの歌がシルクの滑らかさを与える。各ゲストによって添えられた彩りがバンドの魅力を増幅する傑作だ。