かわさきジャズ2022
JUNKO ONISHI in Kawasaki への意気込みを語る

 日本を代表するジャズ・ピアニスト大西順子が、〈JUNKO ONISHI in Kawasaki〉を、ミューザ川崎シンフォニーホールで11月13日に開催する。これは〈かわさきジャズ2022〉の一環で、第一部は〈JUNKO ONISHI QUARTET〉、第二部が〈JUNKO ONISHI presents THE ORCHESTRA〉という、まさに〈大西順子ナイト〉と呼びたいスペシャルな一夜だ。コンサートを前にした大西順子に、当日の聴きどころとコンサートに向けての意気込みを訊いた。


 

――まず第一部のカルテットは、ピアノ・トリオに大儀見元さんのパーカッションを加えた編成です。大儀見さん加入のきっかけは何だったのですか?

「ピアノ・トリオをやっていて、何かしらの物足りなさを感じることがあったので、グルーヴのボトム感だったり、立つ音がほしいな、と思ったんですね。以前大儀見さんと一度だけやったことがあって、コンガでフォービートをコンピングしたときにとても音が立つので、これはすばらしいと思ってお願いしてみたら、快く受けていただきました」

――カルテット結成から1年ぐらい経ちましたね。アルバム『Grand Voyage』リリースが2021年の年末でした。カルテットの音楽はこの1年で変化していますか?

「今はアルバムの中の曲をやっていますけど、機会があればどんどん新しいレパートリーを増やしていきたいです。オリジナル以外でも、このバンドに合っていておもしろいな、と思う曲があればやってみたいですね。最近みんな〈カヴァー〉って言いますけど、カヴァーというよりはあくまで素材として。あとは、サウンドチェックのときに新しい提案が出ることが多いですね。大儀見さんはものすごくいろんなことを提案してくれて、それは私にとってうれしい誤算でした。歌も歌ってくれますし(笑)」

――〈かわさきジャズ〉には、コアなジャズのファンではないお客さんも来場されると思うのですが、カルテットの聴きどころを教えていただけますか。

「私たちがカルテットでやっているのは、〈モダンジャズの後半期〉にある音楽と言えますが、歌も入っていてそんなに難しい音楽じゃないですし、リズムが気持ちいい音楽がお好きな方なら楽しんでいただけると思いますよ」

――第二部のビッグバンドは、メンバーの中の何人かがオリジナルを書いて、それを大編成で演奏する、というプロジェクトですね。

「最初はセクステットでやっていて、(井上)陽介と広瀬(未来)くんと吉本(章紘)くんが曲を書くのに長けていたので、好きな編成でやろうよ、と提案したらビッグバンドでやってみたい、という話になったんです。最初は私がピアノを弾くつもりだったんですけど、コロナになって活動ができなくなったミュージシャンもいっぱいいたので、できるだけ多くの人を巻き込みたいと思いまして。自分がピアノを弾かないというのも不自然かな、と思うところもあったんですが、スガダイローさんがピアノを弾くとすごく映えるんですね。すみだトリフォニーホールでのコンサートから参加してもらったピアノの若井優也くんもすごくいいピアノを聴かせてくれるし、オーケストラについてはそれで十分じゃないか、と思っています。私は言い出しっぺで、レコード会社から予算を取ってくる、という役目ですね(笑)。ビッグバンドは本当に華やかな迫力あるサウンドで、その音を楽しんでいただければ、と思っています」

――さて、この〈大西順子ナイト〉に対する大西さんの意気込みを語っていただけますか?

「ジャズが多様化している今、私の音楽を聴いて、自分が思っているジャズとは違う、というお客さんもいるかもしれません。私がやっている音楽は〈古い〉ジャズですから。私がジャズを始めた時は、アート・ブレイキーをはじめとする本当にかっこいいジャズ・ミュージシャンが活躍していました。それを思うと、変なことはできないんだ、という気持ちがいつも心にありますね。

 本当のジャズを作ってきた人たちと関わってきたミュージシャンがアメリカにはたくさんいますが、そういう人たちも、今ジャズだと言われているもののほとんどが〈ジャズ〉じゃない、とよく言います。もし、アート・ブレイキーやミンガスやチャーリー・パーカーがいま生きていて、彼らの音楽がジャズ界を彩っていたとしたら、今〈ジャズ〉と思われている音楽の半分ぐらいは消えているんじゃないでしょうか……(笑)。

 やはりジャズは、かっこいい人がやるもの。人間的な魅力も含めて。アート・ブレイキーは本当にかっこよかった。ある時代を作った人間、それは俳優もですし、ミック・ジャガーとかロックの人たちもそうですが、その人にしか出せない人間的なかっこよさがありますよね。残念ながらジャズにはそういう後継者がなかなかおらず、そこが辛いところです。でも、その〈ジャズのかっこよさ〉を私たちのステージから感じてくださる方がいらっしゃったら、本当にうれしいですね」

 


LIVE INFORMATION
かわさきジャズ2022
JUNKO ONISHI in Kawasaki

日時:2022年11月13日(日)神奈川 ミューザ川崎シンフォニーホール
開場/開演:17:00/16:00 ※途中休憩有。終演:19:30(予定)

■チケット(全席指定)
S席:6,000円
A席:5,000円
U25 S席:3,000円(学生証など年齢を証明できるものをご提示ください)
U25 A席 2,500円(学生証など年齢を証明できるものをご提示ください)
※未就学児不可

■曲目
〈予定曲〉
1部:Wind Rose/Itʼs a Fine Day
2部:Naughty Ghost/Both Sides Now/Suite Estaciones 他

■出演
【第1部】JUNKO ONISHI QUARTET:大西順子(ピアノ)/井上陽介(ベース)/吉良創太(ドラムス)/大儀見元(パーカッション)
【第2部】JUNKO ONISHI presents THE ORCHESTRA:井上陽介(ベース)/吉本章紘(sax、fl、cl)/広瀬未来、佐瀬悠輔(以上トランペット)/和田充弘、池本茂貴(以上トロンボーン)/笹栗良太(バス・トロンボーン)/曽我部泰紀(サックス/フルート/クラリネット)/鈴木孝紀(バス・クラリネット)/陸悠(バリトン・サックス/クラリネット)/松永敦(チューバ)/中澤幸宏(ホルン)/馬場孝喜(ギター)/若井優也(ピアノ)/スガダイロー(ゲスト・ピアノ)/吉良創太(ドラムス)/岡本健太(パーカッション)/大西順子(プロデューサー)

■主催・会場・申込み
ミューザ川崎シンフォニーホール(JR川崎駅中央西口直結):044-520-0200(10:00~18:00)
ミューザWebチケット:http://muza.pia.jp/rls/rls_select.jsp?eventCd=2217155&perfCd=001&saletype=norm

■〈かわさきジャズ2022〉に関するお問い合わせ
かわさきジャズ実行委員会事務局:info@kawasakijazz.jp/044-223-8623(平日10:00~17:00)

共催:かわさきジャズ実行委員会/川崎市
https://kawasaki-sym-hall.jp/calendar/detail.php?id=3216