中田ヤスタカのソロ作も挿みつつ、コンビでは『WAVE RUNNER』(2015年)から実に7年ぶりとなるアルバム。今回は〈シンセ・ウェイヴ × シティ・ポップ〉という謳い文句の通り、DX7の未来派な音色を駆使したニューウェイヴ的な音世界がクリアな視界で広がっている。つまりは中田が初期capsuleからやってきたことに一周して戻ってきた一面もあると言えなくはないが、時流の変化も踏まえた本作が追求するのは、もっと明快に振り切れた懐かしい未来だ。FM感覚で空に刺さるフュージョンからニュー・オーダー風、リゾート・ポップまで多彩な楽曲が降り注ぐキラキラした空間で存外な人間味とコンタクトするかのようなこしじまとしこの歌唱も儚く心地良い。ローレゾな画像を用いたアートワークも意味ありげな爽快作。