言葉が〈獣〉の姿で見える共感覚の持ち主〈東雲〉と、詩という言葉の表現に関心を寄せる〈薬研〉による、最も美しい言葉の獣を探すため〈言葉の生息地〉を思索する物語。この2巻ではSNSで二人に向けられた誹謗中傷など負の感情に肉迫する様が、ドラマチックに展開。暴力的な言葉に向き合う事は、受ける側も、発する側も、共に苦しい。他者とは分かり合えることは出来ないのかもしれない、けれども理解したい。幻想的な美しさを纏う獣が、言葉やコミュニケーションを通じ、変化していく姿に希望も感じます。言葉を通し真摯に向き合う二人の姿に、考えること、生きることのヒントも見えてきます。