昨年12月に発表され、シングル“Kill Bill”と共に記録的な大ヒットとなっているSZAの2作目がフィジカル化。数年前の“Good Days”や“I Hate U”も含み、溜め込んだ怒りや鬱屈した感情を赤裸々に吐き出しつつ解放感にも浸る歌をトラップ系やカントリー風の曲で表現していく先鋭と親しみやすさの混在は、5年前の前作以上にいい塩梅だ。ドン・トリヴァーやトラヴィス・スコットとの共演のほか、ビョークの曲を引用して故オール・ダーティ・バスタードと擬似共演(未発表ヴァースを引用)したヒップホップ・ソウル、ベイビーフェイスが制作に関与したメロディアスなスロウなど、魂のこもった粒揃いの曲に心を奪われる。