2025年を席巻した名裏方……ディラン・ウィギンスとは何者か?
ここ数年のロザリアの創造性をノア・ゴールドスタインとのタッグで支える立役者といえばディラン・ウィギンスである。トニー・トニー・トニーのドウェイン・ウィギンスを父に持つ95年生まれの彼は、友人のケラーニらと組んだバンドで「アメリカズ・ゴット・タレント」に出演していた10代の頃から、サー・ディランやディラン・パトリスなどの名義も使いながら着実に名を上げてきた。
兄弟たちと先鋭的なオルタナR&B系の活動も並行させていた彼のコマーシャルな飛躍が始まったのは、ソランジュの『A Seat At The Table』とウィークエンドの『Starboy』といったヒット作に参加した2016年。前者では叔父のラファエル・サディークと共同で制作に臨み、ドク・マッキニーらと組んだ後者ではヒット・シングル“Die For You”にも絡んだ。以降はファンテイジアやミゲル、ジョジョ、ドン・トリヴァー、リル・ナズ・X、シャーロット・デイ・ウィルソン、ベイビーフェイス、スクリレックス、イヴ・トゥモア、ムスタファ、ホールジー、オマー・アポロら幅広い面々の作品に貢献し、SZAのヒット“I Hate U”(2021年)をカーター・ラングらと手掛けるなどチャート的な成果も残している。
そのようにして方々で紡いできた縁がわかりやすく実を結んだのが、タイラの“BLISS”を制作し、カリ・ウチス『Sincerely,』やジャスティン・ビーバー『SWAG』、ダニエル・シーザー『Son Of Spergy』、そしてロザリアの『LUX』といったメイン・プロデュースを手掛ける重要作が立て続けに世に出た2025年だったわけだ。父のドウェインが逝去した年ということもあって、この年の彼の目覚ましい活躍ぶりは眩しく記憶されることだろう。
ディラン・ウィギンスの参加した作品を一部紹介。
左から、ソランジュの2016年作『A Seat At The Table』(Saint/Columbia)、ウィークエンドの2016年作『Starboy』(XO/Republic)、SZAの2022年作『SOS』(Top Dawg/RCA)、ムスタファの2024年作『Dunya』(Jagjaguwar)、ホールジーの2024年作『The Great Impersonator』(Columbia)、カリ・ウチスの2025年作『Sincerely,』(Capitol)、ジャスティン・ビーバーの2025年作『SWAG』(Def Jam)、ダニエル・シーザーの2025年作『Son Of Spergy』(Republic)