ケンドリック・ラマーがニューアルバム『GNX』を昨日11月22日にリリースした。
『GNX』は、ケンドリック・ラマーの6作目のアルバム。予告なしにサプライズリリースされ、前作『Mr. Morale & the Big Steppers』(2022年)までのアルバムを発表してきた古巣TDEを離れてから初の作品である。
ケンドリックといえば、今年3月にリリースした、フューチャー&メトロ・ブーミンとの共演曲“Like That”に端を発するドレイクとのビーフで大きな話題を振りまいた。結果、一連のビーフの過程で5月に発表された“Not Like Us”が大ヒット、2024年を代表・象徴する曲になっている。さらに9月には、2025年2月に開催される第59回スーパーボウルのハーフタイムショーに出演することも発表。なお、ハーフタイムショーでソロのラッパーがメインアクトになるのは史上初だ。
そのように2024年を通して大活躍してきたケンドリックが突如、新作をリリースした。アルバムは盟友サウンウェイヴとともに、なんとテイラー・スウィフトやロード、ラナ・デル・レイらとの仕事で知られるジャック・アントノフが主要なプロデューサーとしてほぼ全曲に携わっている。ジャック・アントノフとのタッグは、ディストラック“6:16 In LA”に続いて二度目。さらにカマシ・ワシントンやロディ・リッチ、SZAといった豪華なアーティストが客演/参加している。
本作の収録曲では“Not Like Us”との音楽的な共通性や連続性を感じさせる最新型のGファンク系ビートが目立ち(“squabble up”“hey now”“tv off”“peekaboo”“gnx”)、“Not Like Us”を手がけた現行西海岸の最重要プロデューサーの一人であるマスタードも2曲をプロデュース。また、2022年に発表した“The Heart Part 5”に続く“The Heart”シリーズの新曲“heart pt. 6”も収められている。
なおアルバムタイトル『GNX』は、ゼネラルモーターズの自動車で、ケンドリックが生まれた1987年に生産されたビュイック・リーガルの限定モデルGNX(Grand National Experimental)を意味しており、ジャケットにも登場している。父親がケンドリックを病院から家に送る際に乗っていた、という彼にとって重要な車のようだ。
ヒップホップシーン全体を巻き込んだ巨大なビーフを経て、ケンドリックは何をラップしているのか? 年末が近づく中で唐突にリリースされた『GNX』は、リリックをじっくりと読んで深く聴き込みたい作品だ。
RELEASE INFORMATION
リリース日:2024年11月22日
配信リンク:https://my-gnx.com/
TRACKLIST
1. wacced out murals
2. squabble up
3. luther
4. man at the garden
5. hey now
6. reincarnated
7. tv off
8. dodger blue
9. peekaboo
10. heart pt. 6
11. gnx
12. gloria