
若い情熱が漲っていた名盤『SONGS』の録音現場
クリス「才能はあったけど、その時点ではまだプロにはなっていなかった」
長門「全然。ライブでギャラをもらえるようになるまでプロじゃないですから」
クリス「でも、矢野誠さんが達郎さんにコーラスのお仕事とかを振っていたんですよね」
長門「そうですね。青山タワーホールでのコンサートを(73年)12月17日にやるのですが、その直前ぐらいから、(はっぴいえんどの事務所の)風都市からCMの話はちょこちょこあって」
クリス「はっぴいえんどの解散コンサートでのコーラスやCM音楽への参加が、さらに達郎さんの道を広げて。きっかけが何段階かあったんですね」
長門「そう。シュガー・ベイブはボーカル&インストゥルメンタルグループ、つまりバンドなんですけど、文京公会堂で大瀧(詠一)さんのコーラスをやったがためにコーラスグループだと思われちゃったんですよ」
クリス「大瀧さん自身もそう思っていらっしゃったんですよね? コーラスがあまりにも素晴らしいから」
長門「それで、〈シュガーはバンドだぞ〉というアピールの意味もあって、青山タワーホールでコンサートやったんです。そこに大瀧さんや風都市の社長を招待して。
それで、まあ、色々あって、結局74年1月から風都市に所属することになったのですが、その風都市も半年後には解散しました」
クリス「『SONGS』のレコーディングが始まったのは、伝説の新宿二丁目の汚い……ごめんなさい、〈汚い〉なんて言っちゃいけないですね。〈湿気が多い〉スタジオ」
会場「(笑)」
長門「僕ね、シュガー・ベイブのマネージャーをやっていたのは『SONGS』のレコーディングの途中までなんですよ。レコーディングは9月に始まって……」
クリス「聞いた話ですけど、そのスタジオは天井がとにかく低くて。今のオフィスビルってそれなりに天井が高いけど、昭和の時代は低かった。そんなところでレコーディングしたんですよね」
長門「エレック・レコードね。そこでレコーディングを始めた時、テープレコーダーとかレコーディング機材に全部差し押さえの紙が貼られていたんですよ」
クリス「もう終わる寸前だった。あら~……」
長門「そういうところで“DOWN TOWN”をレコーディングしたんです」
クリス「しかも、エレックのレコーディングエンジニアの方がいたんだけど、大瀧さんが……」
長門「そう。実際は大瀧さんが……」
クリス「長門さんは現場にいらっしゃいました?」
長門「もちろん」
クリス「雰囲気が悪かった?」
長門「まあ、元々機材に差し押さえの紙が貼ってあったわけだから……」
会場「(笑)」
クリス「お話にならないような状況だったと」
長門「そういう中で一番最初にやったのが“DOWN TOWN”だったのかな?」
クリス「レコーディングは野口さんから始めたんですよね」
長門「そうです。野口くんが長時間ドラムを叩いているうちにもたっちゃったりしてくると、僕がスタジオの中に入って野口くんの前に立ってメトロノームの代わりにこう……(指を振る)」
クリス「やったんですか(笑)?」
長門「〈人間メトロノーム〉」
会場「(笑)」
クリス「よく達郎さんは〈人間サウンドマシーン〉とおっしゃいますよね」
長門「レコーディング環境としては最高ではなかったけど、何かが漲っていましたね。若いシュガー・ベイブのメンバーの音楽への情熱とかが」
クリス「ソニーや他のスタジオでも録音されていますけど、“DOWN TOWN”はあの現場でやったから結果的にああいう雰囲気が出たと。もし環境がすごく整ってるところでやっていたら、どうなっていたでしょうね? 答えは出ませんが」
長門「今は〈シティポップうんぬん〉と色々言われますが……」
クリス「このイベントも〈CITY POP UP SHOP〉とタイトルがついていますけど。私ね、以前取材を受けて〈クリスさんは山下達郎さんについてお詳しいとのことですけど、達郎さんが目指したシティポップとはなんだったんでしょうか?〉と聞かれて……(ずっこける動作をする)」
会場「(笑)」
クリス「なんて答えたらいいか……大変でしたね(笑)。今、何十年も経って、達郎さんたちはシティポップの代表格みたいに言われてますけど、それがまた不思議ですよね」
長門「色んな聴き方があって、それをきっかけに山下くんのもっと深い色んなルーツ、懐の深さに触れていくっていうのがいいんじゃないですかね」
クリス「そうですよね。きっかけになればね。
それこそ、小杉理宇造さんというディレクターの方がいなければ、達郎さんがさらに知られることはなかったわけですけど。〈ヒットが出る・出ない〉〈シングルを出す・出さない〉という話に繋がってくるわけですよね。小杉さんは〈ヒットしたら何でもできるんだから〉と達郎さんを説得されたそうですよね」
INFORMATION
山下達郎〈CITY POP UP STORE @ TOWER RECORDS UMEDA NU CHAYAMACHI〉

①CITY POP UP STORE GO AHEAD! @ TOWER RECORDS UMEDA NU CHAYAMACHI
2023年7月12日(水)~2023年7月31日(月)タワーレコード梅田NU茶屋町店3階 特設会場
②CITY POP UP STORE SPACY @TOWER RECORDS UMEDA NU CHAYAMACHI
2023年8月1日(火)~2023年8月27日(日)タワーレコード梅田NU茶屋町店3階 特設会場
営業時間:11:00~21:00 ※6Fのタワーレコードと営業時間が異なりますのでご注意ください
入場:無料
開催内容:
・山下達郎〈RCA/AIR YEARS〉グッズ、〈山下達郎 PERFORMANCE 2023〉ツアーグッズの販売 ※2023年8月1日(火)より新商品発売予定
・レコード、カセットおよびCD、関連書籍の販売
・オリジナルガチャガチャ設置 ※2023年8月1日(火)よりガチャガチャの新商品発売予定
・ジャケットの大型パネル設置
・ポップアップショップのために制作したオリジナルクリエイティブ展示
・中古レコード販売
・アナログ試聴コーナー
■購入者特典
期間内に〈CITY POP UP STORE @ TOWER RECORDS UMEDA NU CHAYAMACHI〉にて1万円(税込)以上ご購入いただくと、1会計ごとに山下達郎ジャケット絵柄のショッピングバックを1枚、先着でプレゼントします。
①2023年7月12日(水)~2023年7月31日(月)『FOR YOU』ショッパー
②2023年8月1日(火)~2023年8月27日(日)『SPACY』ショッパー
※ガチャガチャは対象外となります
※旧グッズも対象となります
※他フロアでのご購入は対象外となります
またポップアップショップでお買物のお客様にメインビジュアルポストカード〈CITY POP UP STORE @ TOWER RECORDS UMEDA NU CHAYAMACHI〉を1会計につき1枚、数量限定、先着でプレゼントします。
■オリジナルグッズ
・『FOR YOU』Tシャツ(WHITE/BLACK S/M/L/XL)各4,500円(税込)


・『FOR YOU』トートバッグ 3,900円(税込)

・『FOR YOU』マイクロファイバータオル 1,500円(税込)

・ガチャガチャ 1回 500円(税込)

※2023年8月1日(火)より新商品販売予定
※旧グッズの販売もございます
※こちらの商品は山下達郎 ONLINE SHOPでの販売も予定しております
■パネル展示・フォトスポット
・『SPACY』ジャケットフォトスポット
・TATSURO YAMASHITA RCA/AIR YEARS Vinyl Collection 8種 ジャケットパネル
・顔出しパネル
・ポスター掲出
■ヴァイナル販売
TOWER VINYL SHIBUYAが山下達郎さんファンに向けてピックアップした中古LP、7インチをポップアップストア期間内にて限定販売。こだわり抜いた7インチシングル中心の品揃えで、500枚を超えるタイトルを販売します。
https://tower.jp/article/news/2023/07/05/tn001
RELEASE INFORMATION
FOR YOU(1982年作品)
リリース日:2023年5月3日(水)
■アナログ盤
品番:BVJL 90
価格:4,400円(税込)
■カセット
品番:BVTL 2
価格:3,300円(税込)
TRACKLIST
SIDE A
1. SPARKLE
2. MUSIC BOOK
3. INTERLUDE A Part I
4. MORNING GLORY
5. INTERLUDE A Part II
6. FUTARI
SIDE B
1. LOVELAND,ISLAND
2. INTERLUDE B Part I
3. LOVE TALKIN’ (Honey It’s You)
4. HEY REPORTER!
5. INTERLUDE B Part II
6. YOUR EYES
RIDE ON TIME(1980年作品)
リリース日:2023年6月7日(水)
■アナログ盤
品番:BVJL 91
■カセット
品番:BVTL 3
SIDE A
1. いつか(SOMEDAY)
2. DAYDREAM
3. SILENT SCREAMER
4. RIDE ON TIME(アルバム・ヴァージョン)
SIDE B
1. 夏への扉(THE DOOR INTO SUMMER)
2. MY SUGAR BABE
3. RAINY DAY
4. 雲のゆくえに(CLOUDS)
5. おやすみ(KISSING GOODNIGHT)
MOONGLOW(1979年作品)
リリース日:2023年7月5日(水)
■アナログ盤
品番:BVJL 92
■カセット
品番:BVTL 4
SIDE A
1. 夜の翼(NIGHTWING)
2. 永遠のFULL MOON
3. RAINY WALK
4. STORM
5. FUNKY FLUSHIN’
SIDE B
1. HOT SHOT
2. TOUCH ME LIGHTLY
3. SUNSHINE -愛の金色-
4. YELLOW CAB(イエロー・キャブ)
5. 愛を描いて -LET’S KISS THE SUN-
GO AHEAD!(1978年作品)
リリース日:2023年7月5日(水)
■アナログ盤
品番:BVJL 93
■カセット
品番:BVTL 5
SIDE A
1. OVERTURE
2. LOVE CELEBRATION
3. LET’S DANCE BABY
4. MONDAY BLUE
5. ついておいで(FOLLOW ME ALONG)
SIDE B
1. BOMBER
2. 潮騒(THE WHISPERING SEA)
3. PAPER DOLL
4. THIS COULD BE THE NIGHT
5. 2000トンの雨(2000t OF RAIN)
SPACY(1977年作品)
リリース日:2023年8月2日(水)
■アナログ盤
品番:BVJL 94
■カセット
品番:BVTL 6
SIDE A
1. LOVE SPACE
2. 翼に乗せて
3. 素敵な午後は
4. CANDY
5. DANCER
SIDE B
1. アンブレラ
2. 言えなかった言葉を
3. 朝の様な夕暮れ
4. きぬずれ
5. SOLID SLIDER
CIRCUS TOWN(1976年作品)
リリース日:2023年8月2日(水)
■アナログ盤
品番:BVJL 95
■カセット
品番:BVTL 7
NEW YORK SIDE
1. CIRCUS TOWN
2. WINDY LADY
3. MINNIE
4. 永遠に
LOS ANGELES SIDE
1. LAST STEP
2. CITY WAY
3. 迷い込んだ街と
4. 夏の陽
IT’S A POPPIN’ TIME(1978年作品)
リリース日:2023年9月6日(水)
■アナログ盤
品番:BVJL 96~97(2枚組)
■カセット
品番:BVTL 8
Disc 1
SIDE A
1. SPACE CRUSH
2. 雨の女王(RAIN QUEEN)
3. ピンク・シャドウ
4. 時よ
5. シルエット
SIDE B
1. WINDY LADY
2. 素敵な午後は
3. PAPER DOLL
4. CANDY
Disc 2
SIDE A
1. エスケイプ
2. HEY THERE LONELY GIRL
SIDE B
1. SOLID SLIDER
2. CIRCUS TOWN
3. MARIE
GREATEST HITS! OF TATSURO YAMASHITA(1982年作品)
リリース日:2023年9月6日(水)
■アナログ盤
品番:BVJL 98
■カセット
品番:BVTL 9
TRACKLIST
1. LOVELAND, ISLAND
2. 愛を描いて-Let’s Kiss the Sun-
3. あまく危険な香り
4. RIDE ON TIME(SINGLE VERSION)
5. 夏への扉(The Door Into Summer)
6. FUNKY FLUSHIN’
SIDE B
1. WINDY LADY
2. BOMBE
3. SOLID SLIDER
4. LET’S DANCE BABY
5. 潮騒(The Whispering Sea)
6. YOUR EYES