6年ぶりの8作目。エルトン・ジョンやマーク・ロンソンらが関与した前2作はグラム・ロック~モッズ感を漂わせていたものだが、バンドのセルフ・プロデュースで5人の演奏を中心に据えた本作はハード・ロックへの回帰が目立つ。冒頭の“Obscenery”など数曲ではストリングス・クァルテットがドラマティックに盛り上げるものの、アルバム全体を通じては、ソリッドかつ不穏なギター・リフと力強いドラムが我が物顔で闊歩する楽曲ばかり。スペース・ロック的な“Time & Place”やスリリングなパンク“What The Peephole Say”などリスナーをアンモラルな別次元へと飛ばす、QOTSAの真骨頂たる傑作だ。