江戸時代中期。上方を追いかけ文化を発展させてきた江戸で、絵と文による読み物〈草双紙〉が出版され始めた。〈赤本〉〈黒本〉〈青本〉〈黄表紙〉などと呼ばれ、内容も多岐にわたった。多くの人々に親しまれ、時代が変わっても〈草双紙〉の絵柄を踏襲した絵本が出版された。そんな江戸の絵本を様々な切り口で解説したのが本書。例えば、桃太郎にはライバルの柿太郎がいて(〈風流 桃太郎/柿太郎 勇力競〉)、柿太郎は蛙、烏、蟹を引き連れて桃太郎よりも先に鬼退治へ。しかし柿太郎は鬼の家来となり、桃太郎を迎え撃ち……。実は〈桃栗三年柿八年〉にちなんだ物語となっています。本当に〈草双紙〉を知らないのはもったいない!
叢の会「江戸の絵本読解マニュアル 子どもから大人まで楽しんだ草双紙の読み方」桃太郎にはライバルがいた!? 現在の絵本へと続く読み物を様々な切り口で解説
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書籍