
アイドルでもお姉さんでもいられるNegiccoはちょっと得する立場
――ただ、いろいろあったけど、いまグループがいい状況で、いい新譜が出てホントよかったですよ。
「ありがとうございます、お忙しいなか」
――小西さん、さすがだなと思いました。
「ハハハハハハ! 最初に聴いたときはぶっ飛びました。ビックリしました。10年越しなんですよね、“アイばか(アイドルばかり聴かないで)”から。ホントにすごい、これまでの歴史というか歩みを曲にしてもらって」
――“アイばか”も、〈なぜよりによってNegiccoにこんな攻めたことを!〉とか言われてましたけど、〈あのコとはデートとかキッスとか結婚もできないのよ、ざんねーん!〉って、まさに!という。ただ、10年前の時点で〈ふつうの人はCDなんてもう買わなくなった〉わけですよ。まだ買ってる自分とは?と思いますけどね。
「またCDが流行る時期ってきますかね?」
――CDはレコードほど長持ちしない問題があるんですよね、聴けなくなっちゃったりするっていう。レコードは半永久的なんですけど。
「いまY2Kが流行ってるじゃないですか。私たちが小学生ぐらいのときのファッションとかレッグウォーマーとか。そのときCDを超いっぱい聴いてた時期で、CDもまたわかいいものとしてブームがくるのかなと思ったけど、そうでもないんですかね?」
――平成レトロ的な。
「そうですそうです。タワーレコードさんでそんなこと言ったらアレかもしれないけど(笑)※。すみません」
――問題ないです!
「でも私は盤が欲しいタイプなのでCDは買ってます、配信で曲はあんまり買ったことなくて」
――週2ぐらいで本屋とタワレコに行ってたから、タワレコでの目撃証言が死ぬほど多かったボクですら、いまどっちも月に1~2回しか行ってないんですよ。
「え、あの豪さんが!」
――ボクがそうなんだから、そりゃ出版業界も音楽業界もたいへんなはずなんですよ。
「うわ、そうですね! サブスクとか聴いたりするんですか?」
――もちろん。サブスクが便利すぎて。
「そうですよね。サブスクももちろん聴いてて、そこでいいなと思ったヤツを盤で買う、みたいな」
――ボクも、いいなと思った人たちのCDは買うっていう意思表示はしてます。そして、この年齢でアイドルやってるとは思ってなかったわけじゃないですか。実際やってる状況はどうですか?
「14歳から始めていま34歳ですからね。昔ほど抵抗感がなくなったのかなと思います。
昔はアイドルさんとお仕事する機会もけっこう多かったり、周りにはアイドルさん、隣にもアイドルさんっていう状況だったからこそつい比べちゃって」
――とんでもなく劣等感が刺激されて。
「そうなんですよ! 〈あぁ……もう潮時なのかしら〉とか思いつつ」
――常に〈私なんかが〉と思ってたけど。
「はい、そういう感じだったから。でも、いまはいい意味でアイドルさんと一緒の場が少なくなって」
――活動の場が変わったことで比較することもなくなって。
「だから前ほどの落ち込みはなくなってきたかなって」
――じゃあ、Tパレ(T-Palette Records)感謝祭とかでもいろいろ感じてたわけですね。
「フフフフ、若い子だと推しジャンとかめっちゃ多いのに、自分が歌ってるとただ聴いてるだけ……聴いてくれるのはありがたいことなんですけど。
ただ、エビ中ちゃんのファンの方も〈NegiccoちゃんNegiccoちゃん〉って来てくれたり、〈Negicco姉さん〉って言ってくれる人もいるし、アイドルでもいさせてもらってるし、お姉さんでもいられるし、Negiccoはちょっと得する立場だなと思いながら」
――エビ中もいまは新メンバーをどんどん入れたりとか、いろんなアイドルの続け方があるじゃないですか。ネギはホントに独自の道を進んでるんですよ。
「フフフフ、不思議ですね」
――かつて一緒にコラボもしたNegiccoとhy4_4yhが、Negiccoは3人が結婚して子供も生まれ、hy4_4yhはどっちも独身のまま活動を続けているという。
「いまも頑張ってて。hy4_4yhさんも今度新潟に来るんですよ。久々にお会いしたいなあ」
――ここまで来たら、この先もまだまだ続けていけるかなっていう気にはなってますか?
「また1コ山を越えて。それぞれ子供とか生活もあるので、活動はちょっと緩やかになるかもしれないですけど、みんなNegiccoを続けたいという気持ちは一緒なので、ファンの方が許してくださるなら……。
結婚発表したときも〈続けてくれてありがとう〉って声をかけてもらうことが多かったので、それがホントありがたくて。〈え、続けていいの!?〉って。みんなが支えてくれるからNegiccoでいられるのに、ホントありがたいことだなと思ってて」
――アイドルというジャンルの幅が広がってきてよかったですよね。
「それを受け入れてくださる方がいるから、こうやってできてるわけで」
――昭和みたいに、ファン層がほぼ10代で、アイドルなんて20代になったら聴かないものって時代だったらこうはいかなかったわけで。
「すぐ消えてますよ。すぐ〈お疲れさまでしたー〉って消えてます」