元BiSのカミヤサキが、コスプレ仲間だった〈いずこねこ茉里〉ことミズタマリに声をかけたことがきっかけで結成され、BiSの解散ライヴ内でその存在が発表されたことでも話題を集めた新ユニット、プラニメ。タワーレコードのアイドル専門レーベル〈T-Palette Records〉に所属する彼女たちが、遂にデビュー・シングル“Plastic 2 Mercy”をリリース! 今回はその記念として、「CDジャーナル」2014年10月号に掲載されたインタヴューの未公開部分をお届けします!

プラニメ 『Plastic 2 Mercy』 T-Palette(2014)

 

――マリちゃんは関西在住じゃないですか。東京に来る時は宿泊どうしてるんですか?

マリ「サキちゃん家です。めっちゃいいです」

サキ「人の家はつらいからなと思ったんですけど、すぐ寝ます」

マリ「ぐっすり。めちゃ快適」

サキ「お互いアニメが好きなんです。部屋に画集がたくさんあるんですけど、〈キルラキル〉の画集を渡したら朝めっちゃ読んでたりしてて」

マリ「漫画もたくさんあるし。でも、昼に練習が終わって、また夜にも話せるから、ありがたいです」

サキ「一緒にいる時間が長いから相談できるしね」

マリ「1人でいるとシュンとなるけど、2人でいるといろいろ話せる」

――ソロでやっていたマリちゃんがユニットを組むというのが意外でした。

マリ「グループはずっと避けてきたんですよ。人数多いとハブられちゃう側なんです。中学の時からずっとそうで、5人のグループがあったんですけど、1人ハミっちゃって、最終的には輪から外れていって、最終的には連絡取れないとか。高校の時も軽音やってて落ち込んだことがあって。結構トラウマなんですよ」

――そんな人なのに。

マリ「サキちゃんの場合、BiSの時もグループの中で一番うまくやっていってるように見えたんですよ。大人の対応ですごい気を遣いながらメンバーのことを考えて、ギスギスせずにずっと仲いい感じが伝わってきて。だから大丈夫なのかなって」

――サキちゃんから一緒にやろうと声をかけたんですよね。

サキ「はい。マリちゃんがグループ苦手っていうのは聞いてた上で誘ったんです。大丈夫かなって気にしつつ、話し合って、一緒にできることになって。今も時々大丈夫なのかなって思ってます(笑)」

マリ「全然大丈夫。グループ苦手なくせにおしゃべりなんで、話し相手がいるっていうのはありがたい」

――BiSが終わる前からちゃんと考えて行動していたっていうのが偉いというか、真面目ですよね。

サキ「もう、めちゃめちゃ考えて悩みました。渡辺(渡辺淳之介。元BiSマネージャーにして現プラニメマネージャー)さんに一番相談したんじゃないかっていうくらい、何度も相談して。まず何をやっていきたいかっていうところから。渡辺さんに〈サキちゃんは自分でやっていくのもありだと思うよ〉っていうことを言われて、その時はピンと来なかったんです。自分で何かをするなんて……って。お誘いも頂いたりしたんです」

――他からも誘いがあったんですね。

サキ「選択肢のひとつとしてありました。普通の女の子に戻るっていうのも選択肢としてはあったんですけど、それはすぐに消えて、やっぱりどうにかしてこの世界に残りたいと思うようになりました。私も1人で何かやっていこうかなって思ったこともあったし、既存のグループさんに入ることも考えましたね」

――渡辺さんは親身になってくれた?

サキ「ですね。でも、〈みんなが相談してくれないんだよ〉って落ち込んでました(笑)」

渡辺「〈(相談)しろよ〉つってるのに(笑)。コショージとか最後の最後でしたね」

サキ「コショージは私とプールイがアポ繋ぎました」

――あはは。自分からは特に動かないっていう。

サキ「色々考えましたけど、でも結局はじっくり考えたっていうより、〈ピエールナイト〉(今年の3月に開催された凛として時雨のピエール中野主催によるライヴ・イヴェント)でいずこねこを見た時に、一緒にやれたらいいなって直感的に思って」

マリ「その頃にちょうど私の活動も終わるって決まって」

サキ「お互いちょうど同じ時期、今年の夏に活動が終わるってことだったので。マリちゃんは1人でやってきたので、今後も1人でやりたかったらどうしようと思って、その辺は慎重に意見を聞きつつ」

タワーレコード新宿店 × プラニメ〈NO MUSIC, NO IDOL?〉コラボレーション・ポスター

――〈ピエールナイト〉がきっかけだったんですね。

サキ「ピエールさんとマリちゃんとで一緒に写真撮ったね」

マリ「そう! 私が1人で〈ピエールさんの楽屋行くの無理だ……〉ってウジウジしてたら、サキちゃんが〈行こうよ〉って言ってくれて、引っ張って行ってくれました」

サキ「でも私、人にこう思われたどうしようって思うタイプなので、もし断られたらどうしようってそわそわしましたよ。やっぱりまた続けますってなる可能性がないわけじゃないと思ったし」

マリ「あの時は〈いきなり終わるとか言われてさー!〉ってめっちゃキレてたから、そんなそわそわしてると思わなかった(笑)」

サキ「いきなり行くのはよくないと思って、その後こまめに連絡取ったりして」

――言い出しやすい状況を作っていったんだ。

サキ「次に〈BiSなりの甲子園〉の時にまた一緒だったんですよ」

マリ「〈あのアニメ見た? うぇーい〉みたいなLINEのやりとりから、いきなり〈次のイヴェント一緒だね。話す時間ある?〉っていうのが来て。〈告白される! どうしよう!〉と思った(笑)」

サキ「超慎重でしたね。マリちゃんの意志がわかってから誘いたかったので。でも誘うのはめっちゃ勇気いりました」

BiSの2014年のシングル“FiNAL DANCE”

――「やっぱりまた続けます」とひっくり返ることはないと判断したんですね。

マリ「私の意志がそうだったから。終わるって言われて、辞めたくないーってその名前にすがってウジウジするのは情けないなと自分で思っちゃったんですよ。ファンに申し訳ないんですけど、きっぱり辞めると決めて。そこは変わらないってサキちゃんに伝えて」

サキ「プラニメを自分たちの意志で組むことになって、スタッフさんが力を貸してくださって。渡辺さんが意見を聞いてくれているので、自分たちで進めていけてるっていうのはあります」

――それを外に向けて言うのは大事ですよね。「これをやりなさい」って言われてスタートしたのではなく。

サキ「それはあんまり出してなかったかも」

渡辺「ライヴの作り方も自分たちで考えてるっていうのはもっと言っていいと思う。ダンスを入れたいからサビのところの歌の割合を減らそうとか、そういう意見を言ったのはサキちゃんでした」

マリ「たしかに何も言ってないね。大人にやらされるわけじゃない。でもそれどころじゃなかった(笑)。まずは練習してライヴやらなきゃっていう」

――たしかに渡辺さんの個性は強いからそういうふうに見る人もいるかもしれない。2人は渡辺さんの気配を消すくらいの存在にならないといけないですよね。

マリ「それはすごい言われますね」

サキ「渡辺さんが全部仕掛けてるみたいに言う人もいるけど、そんなんじゃないのにと思って。〈人を育てないブラック企業〉とか言われちゃってましたね(笑)」

渡辺「……間違ってはいない」

――否定しないんだ(笑)ちなみにマリちゃんはサキちゃんから声がかかる前はどうしようと思ってたんですか?

マリ「私、ギターをやりたかったんです。(いずこねこの)最初のワンマンで初めてギターを持って歌えたんですけど、もっと楽器を持って歌えたらいいなって思って。小学校三年生からギターをやっていたんですけど、ボーカルとギターで色んなバンドに参加するのが夢だったんですよ。いずこねこがセカンドワンマンをバンドでやれたじゃないですか。本当はそれをもっと広げていきたいと思ってたんですけど、できなかったので、その夢をもう一回やろうかなと思っていて。でもダンスもやりたいしっていうのもあったから、めっちゃ迷ってました。楽器かダンスかみたいな。誰かと何かをするっていうの自体は大好きで。いずこねこはアイドル界でも一番コラボしてるんじゃないかってくらいだったんですよ」

――コラボ多かったですもんね。

マリ「だからソロにはこだわってはいなかった。それでサキちゃんにソロでやるつもりなのか聞かれて、まだ何も考えてないよって」