時は明治。駆け出しの浮世絵師・池田輝方が、夢に見た美女にそっくりの女学生・榊原百合子(のちの榊原蕉園)と出会い、もはや病的なほど執拗に追いかける輝方に怯えながらも、彼女自身もまた輝方に似た男を夢に見ていた。そんな不思議な出会いから始まり、互いに切磋琢磨しながら、己の創作に打ち込んでいく。女性が自立して生きていくことも難しかったこの時代に、奮闘し続ける百合子の姿にも注目。百合子憧れの作家・泉鏡花の登場など物語が大きく進んだ第3巻。二人の真っすぐ過ぎる制作への情熱と、それをお互いにぶつけ合うハイテンションなやり取りが癖になります。